コンピュータ大手の米Hewlett-Packard(HP)は,米New York Timesおよび米Business Weekの記者とのあいだで係争中だった件で,和解に達した。記者たちは2006年,Carly Fiorina氏がCEOを務めていた当時のHPからスパイ行為を受けたと主張していたのだ。

 HPは,金額を明らかにしていないが,原告側に金を支払う。その見返りとして,記者らは「HPが薄汚い会社である」という内容の記事を書くのをやめるということだ。

 記者たちによると,HPの取締役会が電話会社から記者の個人情報を取得する目的で,プリテキスティング(身元詐称)という手口を使ったという。これに対し,HPはカリフォルニア州に罰金1450万ドルを納め,社内の管理体制を見直すと約束した。会長のPatricia Dunn氏を含むHPの幹部は,このスキャンダルによって辞任に追い込まれた(関連記事:HPのプリテキスティング問題,米下院が9月28日に公聴会)。

 ところで,同時期にプリテキスティングの被害を被った米Wall Street Journalの記者たちがHPを訴えない道を選んだことは,注目に値する。