台湾のVIA Technologiesは米国時間2008年1月24日，x86系64ビット・プロセサ向け新型アーキテクチャ「VIA Isaiah Architecture」の内容などを発表した。製造プロセス・ルール65nmの同アーキテクチャ対応プロセサの出荷を2008年上半期に開始する予定。
VIA Isaiah Architectureは，投機的実行タイプのOut-of-Order型64ビット・スーパースケーラ・マイクロアーキテクチャ，マルチメディア向け演算機能，仮想マシン・アーキテクチャなど，最新のx86プロセサ技術に漏れなく対応するという。消費電力が少なく，ノート・パソコンや超小型パソコン（UMPC：Ultra Mobile PC）のバッテリ駆動時間を延ばせる。第一弾の製品群は「VIA C7」とのピン互換を備え，システム・ビルダーは容易に移行できる。
当初の仕様は，動作周波数が最大2GHz，システム・バス（FSB：Front Side Bus）のクロック周波数が800M～1333MHz。記憶容量64Kバイトのレベル1（L1）キャッシュ・メモリー2個と，1Mバイトの専用L2キャッシュ・メモリーを内蔵する。
4個の浮動小数点加算／乗算を1クロックで処理できる浮動小数点ユニット（FPU），新アルゴリズム，マルチメディア命令セットStreaming SIMD Extensions（SSE）対応と128ビット幅の整数データパスにより，高速なマルチメディア処理が可能という。暗号処理用アクセラレータ「VIA PadLock Security Engine」を搭載し，乱数生成，AES暗号，SHA-1／SHA-256ハッシュなどをハードウエアで処理できる。
同アーキテクチャの設計は，VIAの100％子会社である米Centaur Technologyが行った。
なお，Isaiahは2004年に発表し，2006年に提供を開始する予定であったが，プロセサの64ビット化や省電力化が急速に進んだことから仕様と計画を見直した（関連記事：台湾VIA，高性能家電向け64ビットx86プロセサ・コア「Isaiah」の概要を発表）。
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