台湾のVIA Technologiesが,x86アーキテクチャの新型64ビット・プロセサ・コア「Isaiah」(開発コード名,別名「CN」)の概要を米国時間10月5日に発表した。VIA社は,「64ビット・アーキテクチャの高性能に,省電力設計,業界で最も進んだセキュリティ機能を組み合わせたプロセサ・コア」と説明する。2006年前半に利用可能とする予定。

 Isaiahの設計について,同社は「デジタル・メディア・ストリームを復号化すると同時にそれを高精細テレビに超高解像度表示するなど,複数の作業を並列処理する必要のある高度な家電機器向けに最適化した」と述べる。そのために,高速なシステム・バスの採用,キャッシュ・サイズの増量,高速なデータ移動が可能な設計を施した。また,浮動小数点の加算と乗算を2クロックで処理する浮動小数点ユニット(FPU)を搭載している。

 さらに,ハードウエアによるセキュリティ機能「VIA PadLock Hardware Security Suite」の改良版をコアに直接組み込んだ。

 「Isaiahのコア・アーキテクチャでは,低消費電力とトランジスタの効率的な利用という我々の一貫した設計目標を見失わずに,メディア処理性能の大幅な向上を図っている」(米Centaur Technology社長のGlenn Henry氏。同社はVIA社の100%子会社で,プロセサ設計を担当)

 Isaiahの詳細仕様については,後日明らかにするという。

◎関連記事
台湾VIA,セキュリティ機能を強化した低消費電力プロセサ・コア「C5J」を発表
米Transmeta,将来版「Efficeon」で「Windows XP SP2」のウイルス/ワーム対策技術に対応
英ARM,松下電器にプロセサ・コア「ARM1176JZF-S」「ARM1136JF-S」をライセンス供与
英ARMと仏Trusted Logic,セキュリティ技術「TrustZone」用ソフトを共同開発
英ARM,マルチプロセサ・コア「MPCore」を発表,消費電力を最大85%削減
米TI,無線機器向けLSIに英ARMのセキュリティ技術「TrustZone」を導入
米IBM,「PowerPC」資産を米Applied Micro Circuitsに売却
米AMD,セキュリティ機能付きネットワーク・プロセサ「Alchemy Au1550」を発表

[発表資料へ]