Macworld Conferenceの会場に掲げてある垂れ幕
Macworld Conferenceの会場に掲げてある垂れ幕
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 もう間も無く,日本時間1月16日未明(米国時間1月15日午前9時)に,米AppleのCEOであるSteve Jobs氏による「Macworld Conference&Expo San Francisco」の基調講演が,同地で始まる。いまさら予測も野暮ではあるが,内容を占う3つのヒントを紹介しよう。

 Jobs氏の基調講演に関しては,いくつかの噂が流れているが,ここでは敢えてそれらは取り上げない。ここで挙げるヒントは,実際に筆者が目にしたものだけである。まず1つ目は,アップル日本法人広報の動きだ。同社広報は例年,Macworldの現地に滞在して,日本人報道陣の応対をしてくれているのだが,今回は誰も訪米していないという。

 素直に予測すれば,日本で「大きな発表」があるということだろう。「iPhone」以外にも,iTunes Storeでのテレビ番組販売など,日本で未導入の製品・サービスは多い。これらがついに日本でも利用可能になる日が近づいている。

 第2のヒントは,今やAppleの「盟友」となった米Intelの動きである。Intelの社長兼CEOであるPaul Otellini氏は1月7日(米国時間)に,「2008 International CES」で基調講演を行ったばかりだが(関連記事:【CES2008】「Adobe AIRでOSを問わない開発が実現する」と「Intel」のCEOが宣言),そこでは発売を間近に控えたパソコン向けプロセッサ新製品の話題に,一言も触れなかった。新製品をまだ発表していないAppleに配慮したのは明らかで,今年もJobs氏が新しいApple製ハードウエアをお披露目するのに合わせて,Otellini氏が舞台に登場することになりそうだ。

 3つ目のヒントはもちろん,Macworld Conferenceの会場に掲げてある「There's something in the air.」という垂れ幕である。この言葉の意味は色々な風に取れるだろうが,筆者は素直に,2007年の大ヒット曲で,ドイツのバンド「Digitalizm」の代表曲「pogo」のサビの歌詞を連想した。

 実は2007年のMacworldにおけるJobs氏基調講演のトリは,アメリカ人ロック・ミュージシャンのJohn Mayer氏によるライブであった。今回の基調講演も,Digitalizmのライブで幕を閉じるのかもしれない(筆者は大ファンなのでとてもうれしい)。

 もちろん,「空に何かある」ということから,無線/携帯電話関連で,何か新しいサービスが始まると予測することも可能だ。また筆者としては,「デジタル主義」を名前に持つバンドの歌詞を引用することが,「すべてをデジタルにする」というAppleの野望を表しているような気もした。

 「There's something in the air.」という言葉を見てから,筆者の頭の中では「pogo」という曲が鳴り響いている。実は2008 International CESの前日である1月4日(米国時間)に行われた米MicrosoftのBill Gates会長による基調講演の前にも,Digitalizmのpogoが何度も会場で流されていた。Gates氏の基調講演は,新しい話題がほとんどない寂しいものだったが,Jobs氏の基調講演がそれとは正反対のものになることを期待している。