総務省は11月28日,NTT東西地域会社がNGN(次世代ネットワーク)の商用化に向けて10月25日に認可申請した活用業務に対する第一次意見募集の結果を公表した(関連記事)。ユーザー企業やベンダー,競合事業者などから合計34件の意見が集まった。

 最も多かったのは「今回の活用業務の申請内容に賛同する」という意見。「NTT東西で別々のサービスを契約する場合,トラブル時の対応窓口やサービスの品質が東西で異なることが多く,ワンストップでの対応を望んでいる。 NGNでNTT東西の接続が可能になることは全国に拠点を持つ企業にとっては大いにメリットがある」(東リ),「県間通信・東西通信をシームレスかつワンストップで提供するサービスを,オープンなインタフェースで提供してもらうことにより,コストダウンと信頼性の向上を実現できると考えている。高品質・高信頼のサービスを早期に低コストで実現されることを強く希望する」(大阪ガス)などユーザー企業による賛同意見は21件にも及んだ。

 一方,競合事業者は反対の意見。「NTT東西の原則的な事業範囲を都道府県内業務としたNTT再編の主旨に大きく反する」(STNet),「NTT東西によるさらなる寡占化を進めることになるので認めるべきではない」(ケイ・オプティコム),「イーサネット・サービスの県間役務提供は事実上,NTT東西による全国1社化にほかならない。公正な競争の確保に重大な支障を及ぼすおそれがあり,認可すべきではない」(中部テレコミュニケーション),「NTT東西の事業領域拡大につながる,NGNを利用した活用業務は認可すべきではない。NGNに関する接続ルールが整備されるまで活用業務の審査は保留すべき」(KDDI)など,断固反対の姿勢を貫いている。

 総務省は今回寄せられた意見を参考に認可申請に関する考え方をまとめ,年内を目途に第二次意見募集を実施する予定である(関連記事)。

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