総務省は7月18日,NTT東西地域会社の活用業務を認可する際のガイドラインを改正した。同ガイドラインの改正は,2001年に活用業務の認可制度が発足して以来,初めてとなる。

 活用業務とは,県内の地域通信サービスを提供するために保有している設備や技術,社員などのリソースを,NTT東西が地域通信以外の業務に“活用”して提供するサービスのこと。活用業務の認可制度は,地域通信事業者であるNTT東西の業務範囲拡大を認めるもので,具体的には県間通信サービスや県間通信部分を含むエンド・ツー・エンドの料金設定などが活用業務に当たる。

 活用業務をNTT東西が手がけるには総務省の認可が必要で,そのために,(1)本来業務である地域通信業務などの円滑な遂行に支障を及ぼす恐れがない,(2)通信事業の公正競争の確保に支障がない──という二つの要件を満たさなければならない。

 今回改正されたガイドラインの大きな変更点は,認可の可否を審査する期間が変更された点と,NTT東西によるNGN(次世代ネットワーク)やFMC(fixed mobile convergence)サービスの認可を審査する際の考え方が明記されたこと。

 活用業務の認可を審査する期間はこれまで,「(影響が)軽微な事案は1カ月以内,慎重な検討が必要な場合は3カ月以内」とされていた。しかし今回の改定により,「軽微な事案は1カ月以内,パブリック・コメントを1回実施する場合は3カ月以内,特に慎重な検討が必要で,パブリック・コメントを複数回実施する場合は4カ月以内」となった。影響が大きいと見なされた認可申請の審査期間は,これまでよりも長くなる。総務省は,「NTT東西によるNGNやFMCサービスは,特に慎重な検討が必要となると思われるため,最長の“4カ月以内”の審査期間が必要」との見解を示している。

 NTT東西のFMCサービスに関しては,NTTドコモとネットワークなどを別々に構築することや排他的な設備の共用を行わないこと,NTTドコモとの共同営業の禁止,同一名称によるサービス提供を行わないこと,などが明記された。NGNに関しても,NTT東西が個別にネットワークを構築すること,などの条件が示されている。

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