米連邦通信委員会(FCC)は米国時間9月19日,公安関連の非営利団体であるPublic Safety Spectrum Trust Corporation(PSSTC)に,700MHz周波数帯の利用を許可したと発表した。警察,消防,医療機関など,複数のグループから成るPSSTCは,同帯域の10MHzを使って,緊急時に向けた全国規模の通信ネットワークを構築する。

 FCCは今年7月,700MHz周波数帯の利用に関して「第2次報告および指令(Second Report and Order)」を採択し,同帯域の10MHzを公安向けブロードバンドに割り当てることを決定していた(関連記事:米連邦通信委員会が700MHz帯オークションのルール改定,Googleの意見を一部採用)。

 PSSTが利用する周波数に隣接した「D Block」と呼ばれる10MHzの周波数帯は,商用利用のために競売にかけられることになっている。PSSTは,D Blockの落札企業とネットワーク共有契約を結び,相互接続性を持つ公安向けのブロードバンド通信ネットワークを構築することが義務づけられている。

 PSSTはさらに,同ネットワークへのアクセスと利用料金の管理,公安機関が利用する機器やアプリケーションの認可,狭帯域から同ネットワークへの移行の監視なども担当する。

 700MHz帯は現在米国のテレビ放送局が利用しているが,2009年2月17日のデジタル放送への完全移行にともなって未使用となる。FCCがオークションを行うのは700MHz帯の62MHz幅。米メディア(InfoWorld)によると,2008年1月24日に競売を開始する予定。

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