写真1●ニフティ研究所の友澤大輔 所長
写真1●ニフティ研究所の友澤大輔 所長
写真2●サイバー・バズの宮崎聡 代表取締役社長
写真2●サイバー・バズの宮崎聡 代表取締役社長

 2007年11月7日に東京ミッドタウンで開催された「NET Marketing Forum Fall 2007」で、ニフティ研究所の友澤大輔所長(写真1)と、サイバー・バズの宮崎聡代表取締役社長(写真2)が、ブログによるクチコミを利用して商品の販促につなげる「バズ・プロモーション/バズ・マーケティング」について講演した。

 友澤所長はまず、2006年末段階でブロガー(ブログを書く人)が1000万人、ブログ読者が5000万人おり、5年後の2011年にはブロガーが 1800万人、ブログ読者が8000万人になるという野村総合研究所(NRI)の調査を紹介。2011年には、読者に特に強い影響力を持つブロガーである「インフルエンサー」が100万人に達するとして、企業はこうしたインフルエンサーをいかに取り込むのかがマーケティングにおいて重要になると指摘した。

 さらに、ニフティ研究所がニフティ・ユーザー1000人、ニフティのブログ・サービスであるココログのユーザー500人に対して行った調査をもとに、ブログと各業界の特性について言及。「ブログによるマーケティングは、どの業界でも使えるほどは成熟していない。嗜好性の高いもの、普段よく利用するものほどブログと親和性が高い」(友澤所長)とし、例として、健康グッズ、映画、音楽、書籍、家電、PC、化粧品のほか、「コンビニ周りの商品」(同)であるお菓子、飲料、食品、トイレタリなどを挙げた。逆に、金融、保険、不動産などは、現時点ではあまり相性が良くないとした。

 ただし、クチコミの量(記事の数)が単に多ければ良いというわけではない。実際に購買に結びつけるためには、「クチコミの質」と「クチコミの継続」がカギになると言う。成功したバズ・マーケティングでは、1日に書かれるブログの記事数はさほど多くなくても、意見記事が多い、短い期間に複数のピークが発生する、などの特徴が見られると語った。一方、失敗したバズ・マーケティングでは、一気に記事の量は増えるが、意見が書かれていないことが多く、すぐに新規の記事が無くなるとした。

 引き続き登壇したサイバー・バズの宮崎社長は、「バズ・プロモーション/バズ・マーケティング」サービスを提供する同社の商品「MegaBuzz」について説明。セグメント化したインフルエンサーとインフルエンサーのネットワークを利用することで、深さと広さを実現できる同商品の特徴について述べた。さらに、MegaBuzzの適用事例として、味の素ゼネラルフーヅのコーヒー飲料「Blendy香るブラック」のプロモーションを紹介した。

 「Blendy香るブラック」は、「ブラックコーヒー本来の高い香りや味はそのまま、体脂肪が気になる方に適した、業界史上初、トクホ(特定保健用食品)のコーヒー」(同社サイトより)。そこでプロモーションでは、「ブラックコーヒー」または「体脂肪」に関心があるインフルエンサーとBlendy ファンで情報発信意欲が高い層から200人を抽出。商品を継続的に送付してブログに書いてもらうなどしてクチコミ促進を図った。同時に、案件紹介ページに特定のキーワードを散りばめる、参加者への配布ブログ・パーツにクチコミを載せてクチコミの増殖を図る、などの施策をした。その結果、2回目の記事掲載の最中や直後から、約130%の売上向上が認められたという。

特集●NET Marketing Forumに見るマーケティング・イノベーション