米Symantecは米国時間11月5日,情報漏えい対策(DLP)ソリューションを手がける米Vontuを買収することで,両社が最終合意に達したと発表した。買収金額は3億5000万ドル。現金とオプション引き受けで支払う。手続きは規制当局などの承認を経て,2007年第4四半期に完了する見通し。

 Vontuのソフトウエアは,社内で保存,使用されている機密情報を検出し,それがインターネットや電子メールなどを介して社外に漏えいしないようにする。両社はすでに提携関係にあり,電子メールを介した情報流出を防ぐSymantecの「Mail Security 8300 Series」に,Vontuのソフトウエアが実装されている(InfoWorldの報道)。Symantecは同社の買収により,自社のエンドポイントおよびネットワーク・セキュリティ製品や,ストレージおよび法規制順守製品の拡充を狙う。

 Symantec,Security and Data Managementグループ担当社長のTom Kendra氏は,「SymantecとVontuの製品ラインを組み合わせることで,デバイスはもとより情報自体を保護できる,情報中心のセキュリティを提供できるようになる」と説明している。

 買収に伴い,Symantecの2008会計年度(2007年4月~2008年3月期)におけるGAAPベースの1株当たり利益は,2セント希薄化される見込みである。

 セキュリティ業界では,データ保護ソフト・ベンダーの買収が相次いでいる。例えばSymantecの競合企業である米McAfeeは,昨年10月にイスラエルのOnigmaを買収(関連記事:McAfee,イスラエルのデータ保護ソフト・ベンダーを2000万ドルで買収)。続いて米Websenseが米PortAuthorityを買収した(関連記事:Websense,情報漏えい対策技術のPortAuthorityを買収)。最近も,米Trend Microが米Provillaを買収したことを発表している(関連記事:トレンドマイクロ,データ漏えい防止技術のProvillaを買収へ)。

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