フランスのAlcatel-Lucentは現地時間10月31日,2007年第3四半期の決算を発表した。売上高は43億5000万ユーロ(約63億ドル)で前期と比べ2.3%増加したが,前年同期からは7.8%減少した。純損失は3億4500万ユーロ(約5億ドル)で,前年同期は純利益5億3200万ユーロ(約8億ドル)を計上していた。

 希薄化後の1株当たり損失は0.15ユーロ,米国預託株式(ADS)形式による1株当たり損失は16セントとなった。前年同期は1株当たり利益が0.23ユーロ,ADSによる1株当たり利益が33セントだった。資産の減損やリストラ費用などを除いた調整後営業利益は7000万ユーロで,前年同期の4億3000万ユーロから大幅に縮小した。

 キャリア向け部門の売上高は31億4200万ユーロで前年同期比12%減,前期比2%増となった。光ネットワークが2ケタ成長した有線事業は前年同期比8%増収したが,無線事業は同20%落ち込んだ。ただしGSM分野は2四半期連続で前期比売上高が増えているという。コンバージェンス事業は前年同期と比べ39%減収した。

 企業向け部門の売上高は3億8000万ユーロで前年同期と比べ8%増加,前期比では2%増加した。サービス部門の売上高は7億7700万ユーロで前年同期比3%増,前期比4%増だった。

 同社CEO(最高経営責任者)のPatricia Russo氏は,「9月13日に発表した下方修正(関連記事:Alcatel-Lucentが2007年通期の業績見通しを下方修正)と基本的に一致する結果となった。いくつかの分野はわずかに見通しを上回ったが,それでも満足できるレベルではない」と述べた。

 同社は引き続き事業統合に取り組んでおり,当期は約1000人の人員整理を行った。2007年1~9月に実施した削減は5000人にのぼる。同社は2009年までに約4000人を追加削減する計画である。

 今後の見通しについては,2007年第4四半期の売上高が前期から大幅に伸びると見込む。2007年通期の売上高は前年からほぼ横ばいで,従来予測範囲の下限になると予測する。

 また同社は幹部役員の人事異動を明らかにした。現CFO(最高財務責任者)のJean-Pascal Beaufret氏が辞任し,後任には現Enterprise Group責任者のHubert de Pesquidoux氏が就く。Beaufret氏は辞任後も,引き継ぎのため一定期間は同社にとどまる。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]