米Oracleは,まだ米BEA Systemsの買収をあきらめるつもりはないようだ。Oracleは,買収提案の受け入れを拒否するBEAの役員会あてに,交渉に応じるよう呼びかける書簡を米国時間10月12日に送付した。

 Oracleは10月9日に、BEAの株式を買い取る提案を,BEA役員会に対して書簡で通知した。10月12日付けのOracleの発表によれば、買収金額は1株当たり17ドルで,これは10月11日の終値である13.62ドルに25%のプレミアを付けたもの。買収総額は67億ドルにのぼる(関連記事:米オラクル、約7800億円超で米BEAシステムズ買収を提案)。

 これに対しBEAは「当社はOracleにとっても他社にとっても,また当社の株主にとっても,Oracleが示した価格よりも,はるかに価値がある」として,買収案を拒否する回答を10月11日付で送った。また,OracleがBEAの直接の競合社であるため,「長期にわたり制約のないかたちで進められるいかなるプロセスも考慮に入れることはできない。競争的な機密情報を漏らすことになり,それは当社のビジネスおよび株主利益の両方に著しい損害を与える」ことを指摘した(関連記事:米BEAシステムズ、米オラクルの買収提案を拒否)。

 Oracleはこの回答を受け,BEAが示していた懸念について解決するためにBEAと連絡を取ったという。すなわち,「“短い期間で,制約のないかたちではなく,競争的な機密情報を漏らさずに”手続きを進めることでBEA代表者と合意した」(Oracle)。しかし,最終合意を視野に入れたプロセスを始めるために10月12日午前10時にBEA経営陣と会う予定だったが,BEA経営陣がこれをキャンセルした。

 Oracleによると,BEA経営陣はミーティングの日程を再調整する意向はなく,友好的な取引に向かうために希望するプロセスがあるかとのOracleの問いに対して,決めているプロセスは無いと返答した。Oracleは今回BEA役員会にあてた書簡の中で,「当社は今でも,友好的取引につながるプロセスにただちに直ちに取りかかることができる」として,交渉に応じるよう引き続き要請した。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]

■変更履歴
第2段落で当初、1株当たり17ドルという買収金額を「10月8日の終値である13.62ドルに25%のプレミアを付けて・・・」と説明していましたが、「10月11日の終値である13.62ドルに25%のプレミアを付けて・・・」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/10/15 13:25]