米Microsoftが米国時間7月5日,オープンソース・ソフトウエア・ライセンスGeneral Public License(GPL)GPL version 3(GPLv3)への対応方針を発表した。それによると,MicrosoftはGPLv3ライセンスと無関係で,同社のいかなる活動もGPLv3の契約に拘束されず,法律上の義務も発生しないという。

 GPLは,Free Software Foundation(FSF)の創設者であるRichard M. Stallman氏がGNUフリーOSプロジェクト向けに1989年に作成したライセンス。Linuxなどが採用しているオープンソースの主要ライセンスであり,現在フリー/オープンソース・ソフトウエア(FOSS:Free/Libre and Open Source Software)の多くが同ライセンスを適用している。FSFはGPLの最新版であるGPLv3を6月29日にリリースした(関連記事:FSFがGPLバージョン3を正式リリース)。

 Microsoftは,Linuxディストリビュータである米Novellと特許保護契約などを結んでいるものの,「Novellが将来GPLv3の適用されたコードの配布を選択しても,サポート・サーティフィケイト提供といった同契約にかかわる全活動の遂行で,GPLに従う必要はないと考える」と述べる。さらにGPLv3の条件下で特許を提供することもないという。

 「現在のところ,この問題に関する疑いや法的な議論を避けるため,当社の提供するNovell向けサポート・サーティフィケイトでは,GPLv3ライセンスの適用されたあらゆるコードについてNovellやその他ベンダーからサポートやアップデートを受けられないこととした」(Microsoft)

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