写真1●テレビポータルサービスの久松龍一郎代表取締役副社長
写真1●テレビポータルサービスの久松龍一郎代表取締役副社長
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写真2●現在のアクトビラのトップ画面。大きな写真を載せ,有名タレントのコンテンツを用意するなど,メジャー感を出す工夫をしているという。
写真2●現在のアクトビラのトップ画面。大きな写真を載せ,有名タレントのコンテンツを用意するなど,メジャー感を出す工夫をしているという。
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写真3●動画配信サービスに対応したアクトビラの試作画面。PSPやiPodなどのように直感的な操作が可能なインタフェースになるという。
写真3●動画配信サービスに対応したアクトビラの試作画面。PSPやiPodなどのように直感的な操作が可能なインタフェースになるという。
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写真4●アクトビラのユーザーの県別分布図
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写真5●アクトビラのユーザーの年齢層
写真5●アクトビラのユーザーの年齢層
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 2007年2月にデジタル・テレビ向けのポータル・サービス「アクトビラ」がスタートした。このサービスを運営するのが,松下電器産業やソニー,シャープ,日立製作所,東芝の家電メーカー5社とソネットエンタテインメントが共同出資して設立したテレビポータルサービスだ(参考記事)。テレビポータルサービスの久松龍一郎代表取締役副社長(写真1)が,Interop Tokyoの基調講演に登壇し,アクトビラの現状と将来のサービス像について講演した。

 アクトビラの特徴は,有力家電メーカーが結集して専用テレビの共通仕様を作成し,そのテレビに向けて専用の通信サービスを提供するところにある(写真2)。久松副社長は,「これまでにもテレビ向けのインターネット・サービスはあったが,メーカー固有の仕様にとどまっていたためにメジャーな存在にはなれなかった。アクトビラは有力テレビ・メーカーが結集して標準仕様を作った点が強みであり,グローバル・スタンダードになれる」と強調した。

 アクトビラに参画する5社のメーカーのシェアを足すとテレビ市場の9割以上を占めるという。2011年のアナログ・テレビ放送の停波までに約1億台のデジタル・テレビの需要があるというが,「そのうちの7割以上のテレビをアクトビラ対応にしていくのが当面の目標」(久松副社長)とした。

 現在のアクトビラのサービスは,ニュースなどの生活関連情報を静的なコンテンツを提供するにとどまる。これまではストリーミング形式の動画配信サービス(VODサービス)を追加するのは2007年度中としてきたが,久松副社長は「時期を前倒して2007年秋にスタートさせたい」と断言。試作中という動画配信対応のアクトビラのユーザー・インタフェースを紹介した(写真3)。

 動画の仕様はコーデックにMPEG-2/H.264を使い,暗号化はMarlinを採用するという。これらはいずれも家電メーカーにとって親和性が高い仕様であり,「製品のコストアップを抑えられ,標準的に搭載可能な機能になる」(久松副社長)とした。

 なお久松副社長は講演の中で,現状のアクトビラのユーザー像についても触れた。ユーザーの居住地域は東名阪が多いが,すべての都道府県にユーザーはいる(写真4)。久松副社長は「アクトビラは地域ごとにコンテンツを切り替えられる仕組みを持つ。各地域にユーザーが存在しているので,例えば地域ごとの出前サービスなども可能になるだろう」とのアイデアを披露した。

 ユーザーの年齢層については30代~40代が最も多いなど,比較的高めだという(写真5)。「中には80代のユーザーもいる。これはアクトビラのサービスが簡単に使って頂けることの裏付け」(久松副社長)とした。