台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2007」では,PC関連だけでなく,スマートフォンなど携帯電話関連の展示も目立つ(関連記事)。そんな中,日本では見かけない携帯電話関連の製品として「3Gルーター」と呼ぶジャンルで新製品の展示があった。機能的にはブロードバンド・ルーターと同等で,携帯電話によるデータ通信を複数のパソコンなどで共有して使うことができる。海外では既に2005年ころから存在していたが,COMPUTEX 2007ではHSDPA(high speed downlink packet access)をうたう製品が展示されているのが新しい。
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写真1●台湾Billion Electricのは「BiPAC 7300GX」 PCカード型のHSDPA対応データ通信カードを挿すことで,HSDPAによる通信を無線LANで共有できる。 [画像のクリックで拡大表示] |
対応するHSDPAカードは,米国のT-Mobileなどが採用しているベルギーのOption Wireless Technology製の「Option Globe Trotter HSDPA」など。なお,日本のイー・モバイルはOption Wireless Technology製のHSDPA対応データ通信カードを採用している(関連記事)。BiPAC 7300GXは,そのほか高速ADSL規格であるADSL2+にも対応。3GルーターとADSLルーターを兼ねる。またLAN側インタフェースは有線だけでなく,IEEE 802.11b/gの無線LANも使える。
HSDPAチップ内蔵型も登場
PCカード型のHSDPA対応データ通信カードを挿すのではなく,本体にHSDPAのチップを内蔵する3Gルーターも登場した(写真2)。展示しているのは台湾LIGHTSPEED INTERNATIONAL。USIM(universal subscriber identity module)カードを挿すことで利用できるようになる(写真3)。HSDPAのチップは米Broadcom製。同社はOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーであるため,写真の製品のきょう体はサンプルである。同社はこのほか,PCカード型HSDPA対応通信カードを挿すタイプの3Gルーターも用意している。同社の説明員によると,3Gルーターを利用する環境は「月額料金がフラットレート(定額料金)であることが前提」。日本でもイー・モバイルによる月額定額料金のHSDPAサービスが始まっている。屋内で電波を受信できれば,こうした3Gルーターの利用が期待できる。
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写真2●台湾LIGHTSPEED INTERNATIONALが展示・デモしている本体にHSDPAのチップを内蔵する3Gルーター [画像のクリックで拡大表示] |
写真3●台湾LIGHTSPEED INTERNATIONALの3GルーターのUSIMスロット部分 [画像のクリックで拡大表示] |