Windows Server Longhorn(開発コード名)が搭載する仮想化技術「Windows Server Virtualization」(開発コード名:Viridian)の開発に暗雲が立ちこめている。Windows Server Virtualizationは,「WinFS」(Windows Vistaに当初搭載されるはずだった新しいファイル・システム)と同じ「最終的に実現する」といった類のアドオンになるかもしれない。

 仮想化機能は,Longhorn Serverで大きな役割を持つことになっていた。当初のスケジュールでは,ベータ版を2007年4月,最終版をLonghorn Serverの最終版リリースから180日以内に提供する予定だった。ところが現在のスケジュールだと,ベータ版提供は(2007年第4四半期の)Longhorn Server完成後になる。それでもMicrosoftは,Longhorn Server完成から180日以内(つまり2008年)にViridianを出荷できるとしている((関連記事Microsoft,07年下半期リリースの仮想化環境「Viridian」ベータ版は機能を制限

 一体どうすればこのスケジュールを守れるだろう。簡単だ。ユーザーが楽しみにしている重要で中心的な機能を削ればよい。そうしてViridianは,ストレージ/ネットワーク/メモリー/プロセッサの動的追加機能を搭載しないことになった。動的なサーバー移行を実現する「Live Migration機能」も対応しない。さらに対応可能なプロセッサのコア数を,それまでの32コアから16コアに減らした。

 削られた機能は大きな損失である。Windows Server担当者としては,スケジュールを守るためのやむを得ない判断なのであろうが,この対応はひどいとしか言いようがない。