写真 質疑に答えるNTTの和田紀夫社長(左)と三浦惺副社長(右)
写真 質疑に答えるNTTの和田紀夫社長(左)と三浦惺副社長(右)
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 5月11日に正式発表されたNTT持ち株会社の社長人事(関連記事)。NTT持ち株会社の次期社長候補となった三浦惺副社長は新体制について,「正式に就任したあかつきに,抱負や方針を具体的に説明したい」と述べるにとどめた。

 今回の会見における,和田紀夫社長(写真左)と三浦副社長(写真右)への主な質疑は以下の通り。

三浦副社長は2年前,NTT東日本の社長から持ち株会社の副社長へ転じたが,そのときに「次の社長は三浦氏」と決めていたのか。

和田社長 月並みな言い方だが,トップの座に就いたタイミングで,次のことは常に考えるもの。自分の後任を誰にするかというのは,社長の最大のテーマでもあるので,いろいろ考えた。今回も,私の続投を含めて悩んだが,今が経営体制を一新するタイミングと考え,そのためには三浦副社長が適任と判断した。

どういった点を評価して適任と判断したのか。

和田社長 これまで副社長として事業展開をサポートしてきてもらった点もあるが,誰からも信頼されるキャラクターも重視した。そして,彼は兼務している中期経営戦略推進室長として中期経営戦略を順調に進めており実績面でも十分だ。

次期社長の指名を受けたのはいつか。そのときどう感じたのか。

三浦副社長 4月中旬だ。2人で社長室で話をしているときに伝えられた。私がどの程度(NTT持ち株会社の社長として)の役割を果たせるのか,いろいろ思いが巡ったのは事実。しかし,数ある役員の中から私を指名してくれた(和田社長の)思いも感じ,「NTTを取り巻く状況も踏まえてぜひやってくれ」と社長から言われたので,素直に「引き受けます」と答えた。

情報通信業界の変化は激しいが,どう乗り切るのか。中期経営戦略を進める上での決意と手段を聞きたい。

三浦副社長 中期経営戦略の方向性は変わらないが,周辺環境の変化を柔軟に取り込んでいくことは必要。NTTグループの英知を結集してシナジー効果を出せるように,事業会社の意思疎通を良くして私がまとめていきたい。特にNGNは事業会社がサービス提供するものであって,持ち株会社だけではできない。

2010年にNTTの組織問題を検討するという,いわゆる「2010年問題」についてはどう考えるか。今の体制について,問題があるのかないのか,改めて聞きたい。

和田社長 これは私が答える。やはり誤解がある。2010年にNTTの経営形態を見直すことありき,と思っているようだがそうではない。(政府与党合意に書いてあるのは)世界の情勢や通信と放送の融合,上位レイヤーのサービス拡大などの情報通信業界全体の動向,そして国際競争力やユーザーの要望までを含めた上で,どう考えるかということ。NTTグループの組織形態を見直すことを念頭において考えるのは変だ。