写真:社長交代を発表するNTTの和田紀夫社長(左)と次期社長候補の三浦惺副社長(右)
写真:社長交代を発表するNTTの和田紀夫社長(左)と次期社長候補の三浦惺副社長(右)
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 NTT持ち株会社は5月11日,通期決算と合わせて新体制の人事を正式に発表した。次期社長には,NTT持ち株会社の三浦惺副社長が就任する予定で,現在の和田紀夫社長は,代表権のない会長に就く。6月末の株主総会後の取締役会で決定する。

 和田社長(写真左)は三期目の任期途中による社長交代について,以下のように説明した。「今年は,2010年に向けて結果を出す年。NGN(次世代ネットワーク)を商用化し,光アクセスも順調に伸びて(目標の)3000万回線に向けて加速していく。携帯電話ではFOMAの契約者比率が上がっている。そして,そういったアクセス回線の上で展開する上位レイヤー・サービスに関してはWeb2.0などの動きがあり,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)を中心に大きく伸ばさなければならない。このため,このタイミングで経営体制を一新しようと考えた」。

 社長に昇格する三浦副社長は決算発表後の挨拶で,「身に余る大任と感じている。我々を取り巻く情報通信の世界は動きが早い。的確に対応し,NGNを構築して中期経営戦略を進めるのが私の使命。情報通信分野の発展だけでなく,日本の発展にも寄与したい」と意気込みを述べた(写真右)。具体的な方針については,正式に就任したあとに説明する予定だという。

 一方,三浦副社長の片腕である,NTT持ち株会社の有馬彰取締役中期経営戦略推進担当は,NTTコムの副社長に就任する予定。この狙いについて,NTTコムの和才博美社長は,「ネット・ビジネスにおいては映像系のサービス開発が,光回線を生かす上で重要な要素となる。IP放送などさまざまな業容拡大に向けて,NTTコムで活動していただきたい,という思いで来てもらう」と説明している。