米Dellは3月第5週,顧客フィードバック受付用Webサイト「IdeaStorm」に寄せられた圧倒的多数の意見に応え,オープン・ソースOSであるLinuxの提供をデスクトップ/ノート・パソコンの一部モデルで間もなく開始すると発表した(関連記事)。この発表は,IdeaStorm開設から約1カ月半後になされた。同サイトに集まった意見は,Linux提供を求める声が群を抜いて多かった。

 Dellが顧客にあてたブログ記事には「みなさんの意見を聞けました。直接フィードバックしてくれたことに感謝しています」とある。「当社は,既存のサーバーおよび『Precision』ワークステーション製品系列以外にも,Linux対応を広げることにしました。第一弾として,デスクトップ/ノート・パソコンの一部モデルで,Linuxプリインストールを始めます。プリインストール対象となるパソコンのモデル,試験/認定活動,提供するLinuxディストリビューションといった詳細な情報は,数週間後に改めて発表します。今日から秒読みです」(Dellのブログ記事)

 Dellは,パソコン業界トップからの陥落,CEOの失脚,創業者Michael Dell氏の権力奪還といった出来事を経験した失意の1年間から目覚め,突如として顧客フィードバックに執着するようになった。Dell氏は,顧客との関係改善――そして,顧客の求める通りの製品を提供すること――が,将来の成長にとって重要だと感じている。

 ただし,DellによるLinuxのサポートが,収益の劇的改善につながるかどうかは不明確だ。全世界パソコンOS市場ではWindowsが相変わらず圧倒的な王者で,市場シェアは95%以上ある。その残りは,米AppleのMac OS Xが約2.5%を占めている。