米Symantecは3月7日(米国時間),同社の未公開情報が事前に盗み出されて株式の不正売買に利用された事件に関して,コメントを発表した。Symantecは「特定の個人がSymantecのネットワークに侵入し,情報を入手したという事実は無い」「株取引に使用された情報はSymantecから流出したものではない」と主張している。

 米国証券取引委員会(SEC)は2月26日(米国時間),米Symantecや米RealNetworksなど米国企業12社の社内ネットワークに不正アクセスして未公開情報を盗み出し,その情報を基に株式市場で不正に利益を上げた香港企業などを告訴した(関連記事:「不正アクセスで業績予想を入手,株式市場で空売り」,Symantecなどが被害)。

 この事件に関してはSECからSymantecに対し,事件の犯人に関連するIPアドレスや電子メールからSymantecのネットワークに接触があったかなどについて,問い合わせがあったという。Symantecでは,自社のシステム管理部門とセキュリティ・チームが調査した結果,「疑わしい点は一切発見されなかった」とし,この調査結果を3月2日(米国時間)にSECに回答したという。なお,Symantecの回答に対するSECからの連絡は,3月7日現在でまだない。