米Microsoftは,ビジネス・プロセス管理(BPM:Business Process Management)ツールの活用支援組織「Microsoft Business Process Alliance(BPA)」を設立した。Microsoftが米国時間2月26日に明らかにした。

 Microsoftによると,現時点で利用可能なBPM技術は高価で複雑なため,ユーザーのほとんどはフォーチュン500に入るような大企業という。「BPAは当社製プラットフォーム向けのツールを用意し,あらゆる規模の組織に簡単で経済的なBPM製品の選択肢を提供する」(同社)。

 BPAの設立に参加した企業は,米AmberPoint,米Ascentn,ドイツIDS Scheer,米Fair Isaac,米Global360,米InRule Technology,米Metastorm,英PNMsoft,オーストラリアRuleBurst,米SourceCode Technology Holdingsの10社

 またMicrosoftは同日,ワークフロー・アプリケーション化用の技術プラットフォーム「Windows Workflow Foundation(WWF)」でWebサービス向けビジネス・プロセス仕様Business Process Execution Language(BPEL)2.0に対応する計画を発表した。

 WWFは,Windows Vistaが標準で備える「.NET Framework 3.0」(旧名称は「WinFX」)上で作動するプラットフォームで,ワークフロー・エンジン,プログラミング・モデル,各種ツールで構成する。ワークフロー対応アプリケーションは,開発ツール「Visual Studio」で構築する。

 MicrosoftのWWF技術製品マネージャであるPaul Andrew氏が2月25日に開発者向けネットワークMicrosoft Developer Network(MSDN)のブログで公表した情報によると,まず3月にWWF用BPELツールのコミュニティ技術プレビュー(CTP:Community Technology Preview)版「BPEL for Windows Workflow Foundation March CTP」を提供する計画という。このとき対応するBPEL仕様のバージョンは1.1だが,2007年第4四半期にリリース予定のBPEL for Windows Workflow Foundation最終版はBPEL 2.0対応とする。

 なお米メディア(InfoWorld)によると,BPEL仕様を策定しているXML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)はBPEL 2.0を承認済みで,現在最終版の公開に向けた準備を進めているという。

 さらにMicrosoftは,2007年第3四半期にリリースする電子商取引向けサーバー・ソフトのアップデート版「BizTalk Server 2006 R2」をWWFに統合するとしている。この件について,Andrew氏はブログで「BizTalk Serverの次期メジャー・バージョンはWWFベースとなる。BPEL 2.0に対応し,BPEL機能の活用が可能できる」と述べた。

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