写真1 英ピクセル・テクノロジーズでチーフ・サイエンティスト/ディレクターを務めるマジッド・アンワー氏
写真1 英ピクセル・テクノロジーズでチーフ・サイエンティスト/ディレクターを務めるマジッド・アンワー氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2 ファイルの拡大・縮小に伴い,テキスト部分がウインドウ・サイズに合わせてリアルタイムで折り返す。利用者の使いやすさにこだわったインタフェースを実現している
写真2 ファイルの拡大・縮小に伴い,テキスト部分がウインドウ・サイズに合わせてリアルタイムで折り返す。利用者の使いやすさにこだわったインタフェースを実現している
[画像のクリックで拡大表示]

 携帯電話向けのドキュメント・ビューワーの提供で知られる英ピクセル・テクノロジーズ。同社はスペイン・バルセロナで開かれた「3GSM World Congress 2007」の会場で,同社のドキュメント・ビューワーをインターネットや動画ファイルなど様々なメディア・ファイルの視聴を可能にする「メディア・ブラウザ」に進化させる方針を明らかにした。

 インタビューに答えた同社の創業者でチーフ・サイエンティスト/ディレクターのマジッド・アンワー氏は,「これまでのExcelやPDFファイルはもちろん,携帯電話上でHTMLファイルやFlashビデオ,Windows Mediaファイルなど,あらゆるコンテンツの配信を受けられるようにする」と語る(写真1)。

 同社のドキュメント・ビューワーは,ボタン操作でファイルの拡大・縮小がスムーズにできることで知られる。同じ描画エンジンを用いて,様々なメディア・ファイルを,ユーザーがアクセスしやすいインタフェースで提供する方針という。

 例えばHTMLファイルの表示では,ウインドウの拡大・縮小に伴ってテキスト文字がウインドウ・サイズに合わせてリアルタイムで折り返す(写真2)。「単なるファイルの拡大・縮小ではなく,閲覧しやすさにこだわっている」(アンワー氏)。

 このほか撮影は許可されなかったが,動画ファイル用のメニュー画面では,「iTunes」のカバー・フローのように各ファイルのサムネイル画像が切り替わる様子もデモンストレーションした。

 同社によると「2007年内に日本でメディア・ブラウザを提供できるよう,事業者と話し合いを進めている」(同)という。

 なお携帯電話向けのメディア・ブラウザの分野は,米アドビシステムズなども進出を狙っている(参考記事)。これに対してアンワー氏は,「ピクセルはこれまでもモバイルに特化し,高速レンダリング・エンジンを追求してきた。モバイルに関してはアドビの数年先を進んでいる」と自信を見せた。