米Sun Microsystemsは,ハイエンド・システム向け新型プロセサ「Rock」(開発コード名)の製造に必要な設計データを工場へ送付(テープアウト)した。Sunが米国時間1月18日に明らかにしたもの。Rock搭載システムは,2008年下半期に利用可能とする予定。

 テープアウトとはLSI製造工程における1つの段階で,製造に必要なデータを工場に送ることを指す。工場は,このデータをもとにウエーハにLSIパターンを焼き付ける際に使うフォトマスクを作成する。

 Rockは,単一プロセサ上に対称型マルチプロセシング(SMP)機構を組み込み,プロセサ1個で複数スレッドの同時実行を可能とした「Chip Multithreading(CMT)」技術ベースのハイエンド・システム向けプロセサである。

 米メディア(InfoWorld)によると,Rockは「UltraSPARC T1」(開発コード名は「Niagara」)と同じアーキテクチャの上位プロセサで,16個の演算コアを内蔵するという。同メディアは,米Texas Instruments(TI)がRockを製造すると報じている(関連記事)。

 Sunは,UltraSPARC T1の後継プロセサ「Niagara 2」(開発コード名)を搭載するシステムの提供を2007年下半期に始める計画も明らかにした。米メディア(InfoWorld)によると,Niagara 2の製品名は「UltraSPARC T2」になるという。

 またSunは同日,「Sun Fire T2000」サーバーの強化版を発表した。動作周波数1.4GHzのUltraSPARC T1プロセサと64Gバイトのメモリーを搭載可能とした結果,Sunでは「大量のメモリーを必要とするアプリケーションの処理速度を最大20%高められる」としている。1.4GHz版UltraSPARC T1は,既存の1.2GHz版に比べ処理速度が最大30%高いという。

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