米Red Hat社は2006年11月16日(米国時間),サーバー用Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 5」(以下,RHEL5)のベータ2(バージョン4.92)を公開した(関連記事「Red Hat新版ベータ2が今週登場,継続利用しやすいサポート形態に」)。同社は,製品版の出荷を2007年第1四半期中に計画している。ベータ2では,32ビット版(i386/i686)と64ビット版(x86_64)をテストできる。

 2006年9月に公開したベータ1ではカーネル2.6.17を用いていたが,ベータ2では製品版と同じカーネル2.6.18(2.6.18-2747.el5)を採用した。11月15日にインテルが発表した「クアッド・コア」にも対応している。

 ベータ2はまた,x86向け,x86_64向けに加えて,Itanium2向けのXenも備えている。このため,32ビットと64ビットの両方を対象にした,幅広い環境で仮想化技術をテストできる。ただし,Itanium2向けのXenは技術プレビュー版という位置付けである。

 技術プレビュー版は,製品化後のRHEL5にも含まれるが,優先度の高いセキュリティ・パッチ以外のサポートは提供されない。今後,RHELの標準機能となることが見込まれる,試験用のソフトウエアである。

 ベータ2で利用できる技術プレビュー版ソフトウエアは,どの端末からログインしても同じデスクトップ環境やユーザー環境が利用できるStateless Linux,クラスタ・ファイル・システムのGFS2(Global Filesystem 2),16Tバイトまで最大容量を増やしたExt3,NFS(Network Filesystem)のキャッシュをローカルに保存するFS-Cacheのほか,3次元デスクトップ環境向けのAIGLXとCompizなどがある。