写真1 米Red Hat社ワールドワイド・マーケティング担当上級副社長のTimothy Yeaton氏。
写真1 米Red Hat社ワールドワイド・マーケティング担当上級副社長のTimothy Yeaton氏。
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図1 Red Hat Enterprise Linux 5ではアップデート版の提供時期やメンテナンス・サポートの時期が変更されている。旧版でも18カ月間は更新ソフトが提供される。
図1 Red Hat Enterprise Linux 5ではアップデート版の提供時期やメンテナンス・サポートの時期が変更されている。旧版でも18カ月間は更新ソフトが提供される。
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 米Red Hat社は,同社が開発・販売するLinuxディストリビューションの次期版「Red Hat Enterprise Linux 5」(以下,RHEL5)のベータ2を今週中に公開する予定である。

 ベータ2の公開は,2006年11月15日に開催されたカンファレンス「HP/Red Hat Open Source Summit」のために来日した米Red Hat社上級副社長のTimothy Yeaton氏(写真1)が明らかにしたもの。同氏によると,RHEL5の注目すべき新機能は,1台のマシン上で複数のOSを動作させる「仮想化」と,個々のホストの設定などをサーバーで集中管理できる「Stateless Linux」の2点になる。

 RHEL5では,サポート・サービス形態が旧版とは異なることも明らかになった。RHEL5では「Z-Stream」と呼ばれる新しいアップデート・サポートが提供される。

 従来のRed Hat Enterprise Linuxでは,常に最新版を利用することがサポート・サービスの前提となっていた。Red Hatのサポートを受けるためには,更新ソフトを常時適用して最新版に保つ必要がある。また,過去の更新ソフトをすべて含んだアップグレード版は4カ月間隔で提供される規則で,システムを継続利用する限り,自動的にアップグレード版へと更新される。

 RHEL5で採用される新しいサポート・サービスでは,アップグレード版に更新せずに,従来版のまま一定期間使い続けることが可能になった。アップグレードされる前の旧版とアップグレード版は別々に管理され,旧版もリリース後18カ月間はメンテナンスされて更新ソフト等が提供される。そのため,旧版になったときでも,Red Hatのサポートを受けながら,最長18カ月は使い続けられることになる。

 またRHEL5では,アップデート版の登場間隔も長くなる。従来の4カ月から6カ月に延長される(図1)。