ウェブルート・ソフトウェア(以下,ウェブルート)は11月1日,国内における10月のスパイウエア検出状況を公表した。それによると,偽の警告メッセージや広告を使ってユーザーにインストールさせようとする詐欺的なセキュリティ・ソフト(偽セキュリティ・ソフト)の検出数が増えているという。
ウェブルートでは,同社が提供する無償のスパイウエア検出ツール「Spy Audit(スパイオーディット)」における検出数を毎月集計し,カテゴリ別にランキングを公表している。
ウェブルートによると,9月に発見された偽セキュリティ・ソフト「SystemDoctor 2006」日本語版が多数検出され,「アドウエア」のカテゴリでは検出数が8番目に多かったという。その理由のひとつは,SystemDoctor 2006日本語版のダウンロード・サイトに誘導する偽の警告メッセージ(広告)が,さまざまなWebサイトに置かれているためである。同社によると,ビデオ共有サービス「YouTube」のサイトでも確認されているという。
SystemDoctorに限らず,日本語化された偽セキュリティ・ソフトは多数出回っている(関連記事:続々出現する“偽セキュリティ・ソフト”の日本語版に注意)。例えば,10月に確認された「DriveCleaner」日本語版も同様の偽セキュリティ・ソフトであるとして,同社では注意を呼びかけている。
偽セキュリティ・ソフトの多くは実際には機能しない。にもかかわらず,「ウイルスが検出された」「問題が検出された」といった偽の結果を表示して,ウイルスを駆除するために(問題を解決するために)有償版を購入するよう促す(関連記事:記者も体験,偽セキュリティ・ソフトのだましの手口)。なかには,別の悪質なプログラムを仕込む偽ソフトも存在する。
ウェブルートでは,偽の警告などにだまされてインストールしないよう改めて注意を呼びかけている。また,パソコン中に偽セキュリティ・ソフトが見つかった場合には,自分の意思でインストールしたのでなければ,削除するよう勧めている。
10月の国内における検出数ランキングは以下のとおり。広告などを勝手に表示する「アドウエア」のカテゴリでは,以下のプログラムの検出数が多かったという。
1位 EasySearchBar
2位 GAIN
3位 Locators Toolbar
4位 Cydoor Peer-to-Peer Dependency
5位 ErrorSafe
6位 InternetOptimizer
7位 WinAd
8位 System Doctor 2006
9位 WhenU
10位 Multidial
有用なプログラムに見せかける「トロイの木馬」のカテゴリでは,以下のプログラムの検出数が多かった。
1位 Trojan Hachilem
2位 Trojan-Downloader-Zlob
3位 Trojan-Downloader-Ruin
キーロガーなど,ユーザーの行動を監視するようなプログラム「システムモニタ」のカテゴリでは,次の3件が上位を占めた。
1位 Sc-Keylog
2位 007 Spy
3位 GhostLog