「今後、新規顧客には『Siebel CRM』を提案していく」。日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)の村上智 代表取締役は9月28日、同社と日本オラクルのCRM(顧客関係管理)分野のビジネス戦略発表の場で、こう宣言した。両社がこれまで提供してきた「PeopleSoft Enterprise CRM」と「Oracle E-Business Suite CRM」は、既存顧客のシステム拡張や、パートナー企業が開発したテンプレートなどのソリューション展開に応じるにとどめる。

 Siebel CRMの提案では、特に金融や自動車など特定の4業種に対して、業種固有のデータ・モデルや画面などをあらかじめ組み込んだソリューションを用意。同時に営業部門を分割し、4業種ごとに専任の営業部隊を置く。ただし、それら専任部隊は大企業への提案を中心とし、中堅企業に対しては、業種によらない“中堅企業担当”営業を別途作る。

 中堅企業担当の営業部隊は、同日に発表した「Siebel CRM On Demand」を中心に売り込む。Siebel CRM On Demandは、「Siebel CRM」をSaaS(Software as a Service)として提供するもので、米国では今年4月にサービスを開始済み(関連記事)。日本では10月1日から提供を始める。料金は1ユーザー当たり月額8750円。

 もちろん、Siebel CRM On Demandは大企業でも使える。Siebel CRMとデータを連携させることができるため、「本社の従業員はSiebel CRMを使い、海外拠点の従業員はSiebel CRM On Demandを使うといった形態を提案していく」(村上代表取締役)。

 営業やコンサルタントの総人数は、現在の60人から120人に増員。さらに、現在、約10社あるパートナー企業に対して、これまで以上に営業支援や導入コンサルタントのための教育を実施するなどパートナー体制も強化する。