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【インタビュー】ブラウザー上で動くデスクトップ環境が目指すもの

米スタートフォースのコウCEOに聞く

八木 玲子=日経パソコン 2006/08/01 日経パソコン
米スタートフォースのチャン・ジン・コウCEO
米スタートフォースのチャン・ジン・コウCEO
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スタートフォースの画面。Windowsのようなデスクトップ環境をブラウザー上で実現している。「start」メニューからアプリケーション起動したり、ドラッグ・アンド・ドロップでウインドウやファイルの移動したりできる
スタートフォースの画面。Windowsのようなデスクトップ環境をブラウザー上で実現している。「start」メニューからアプリケーション起動したり、ドラッグ・アンド・ドロップでウインドウやファイルの移動したりできる
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米ウェブシャカが開発する「YouOS」。同じくブラウザー上で動くデスクトップ環境だ。ブラウザー上で動くブラウザーなど、300種類以上のアプリケーションを利用できる
米ウェブシャカが開発する「YouOS」。同じくブラウザー上で動くデスクトップ環境だ。ブラウザー上で動くブラウザーなど、300種類以上のアプリケーションを利用できる
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 米スタートフォースは、日本のフュージョン・ネットワークサービスと共同で、Webベースのデスクトップ環境「スタートフォース」を開発している(関連記事)。2006年5月にアルファ版を公開して以来、登録ユーザーは1万人を超えた。Webブラウザー上でデスクトップ環境を動かすという同社のアプローチが目指しているものは何か。スタートフォースのチャン・ジン・コウCEOに聞いた。

■なぜ、スタートフォースを開発したのか。

 WindowsやMacintosh、Linuxなどのデスクトップのユーザー・エクスペリエンスを、ブラウザーに持ち込みたかったからだ。ユーザーはどんなパソコンからでも、リッチなユーザーインタフェースを通じて自分だけのデスクトップ環境にアクセスできる。これは、魔法とも言える大きな革新だ。

 技術的には、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)を採用している。Ajaxは爆発的に普及したが、きっかけは米グーグルが「Google Maps」などに採用したことだと言っていいだろう。これによってAjaxのパワーが知れ渡り、広く使われるようになった。

 ただ、Google MapsはAjaxにとっての最初の波だ。私はスタートフォースで、第2の波を起こしたい。Ajaxには、まだまだ可能性がある。Ajaxでどこまでできるか、その限界に挑戦しようと考えている。

 スタートフォースは既存のOSを置き換えるものだと思われることがあるが、そうではない。3Dアニメーションや動画のエンコーディングなど、既存のOSの方が適している分野はある。スタートフォースはあくまでも「Webベースのデスクトップ環境」であり、OSではない。そもそもスタートフォースはブラウザー上で動くものなので、そのブラウザーを動かすOSは必要だ。

■スタートフォースが目指すものは何か。

 個人向けのサービスという意味で言えば、ソフト開発者とユーザーを結びつけるプラットフォームとして機能することを目指している。ソフト開発者はスタートフォース上で動くソフトを開発し、インターネットを通じて広く公開する。ユーザーは、幅広い選択肢の中から好みのものを選べる。

 Webベースのアプリケーションは既に多数存在するが、それらはすべてバラバラに存在している。公開されているドメインやユーザーIDは異なるし、ストレージも別々だ。これでは、複数のソフト間でデータを共有できない。米グーグルなどは、自社が公開する一部のソフト間でのデータ共有を可能にしているが、共有できるのはやはり同社のソフトに限られる。

 我々は、個人の開発者が作った小さなソフトであっても、データ共有を可能にしたい。スタートフォースという同じプラットフォームで動くソフト同士なら、それが可能になる。Windowsの上で動くソフトが互いに連携できるのと同じように、Webベースのソフト同士も連携させたい。そのために、近日中にAPIをリリースする予定だ。ユーザーインタフェースやユーザー認証など、さまざまな機能を備えた統合的なAPIになる予定だ。

■個人向けサービスの内容は?

 個人向けサービスは、2006年中に有償サービスを開始したいと考えている。ビジネスモデルとしては、「eBay」や「楽天」などと同じだ。

 eBayや楽天は、物を売る人と買う人のプラットフォームとして機能し、手数料を得て収益を上げている。スタートフォースは、ソフトを作る人と使う人のプラットフォームだ。ソフトを売るための基盤を持たない開発者も、スタートフォースがあればすぐにソフトを公開できる。ユーザーも、多くの製品の中からソフトを選べる。ソフト開発者は自由に料金を設定でき、それをユーザーに課金する仕組みにするつもりだ。料金は、月額数ドル程度になるだろうと考えている。そして我々は、ソフトへのアクセス制限や価格の管理などの機能を提供する。そこから手数料を得ることを考えている。

 以上のビジョンは、個人に対するビジネスについてのものだ。我々は、中小規模や大規模の法人に対してもサービスを展開する予定だ。これらについては、今はまだ話せる段階にない。

■「YouOS」など、強力なライバルも出てきているが。

 ライバルがいることは大歓迎だ。それだけ、この分野が活気づくのだから。なにより、複数のプレーヤーがいることはユーザーに大きなメリットをもたらす。さまざまなサービスがあった方が楽しいし、選択肢が増える。競争によって、より優れたものが生み出される可能性も高い。

 YouOSは優れたサービスだ。マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学などを出た優秀な4人組が、大変なハードワークをして開発を続けている。私は彼らと友達でもあるので、よく知っている。また彼ら以外にも、何人かの賢い人たちが、ガレージで同じようなサービスの開発を始めている。

 ただ我々には、彼らとは異なる点がある。まず、12人という大きな開発チームを抱えていること。さらに、きちんとビジネスに結びつけることに大きな力点を置いてプロジェクトを進めていることだ。YouOSが既に実施しているAPIの公開に今まで踏み切らなかったのも、ビジネス化を見すえると、順を追って物事を進めていく必要があると考えたからだ。

■フュージョン・ネットワークサービスと提携した理由は。

 サービスを提供するのに必要なインフラを持っている会社だからだ。スタートフォースはエンジニアリングの会社で、サーバーやネットワーク環境を持たない。その部分を、フュージョン・ネットワークサービスが提供してくれる。

 彼らとはとても良好な関係を築いている。スタートフォースの最初のプロトタイプ版を彼らにデモしたのが2005年の12月。そこから5カ月ほどで、アルファ版公開までこぎ着けた。非常にスムーズに仕事が進んでいる。

 スタートフォースは米国の会社だが、実は現在サービスを公開しているのは日本だけだ。日本はブロードバンドの普及率が高く、また安く高速なサービスを利用できる。米国でもブロードバンドは広まりつつあるが、今のところはパワーユーザーが中心だ。日本なら、このサービスを一般ユーザーにも広く使ってもらえると考えて日本で先行公開することを決めた。

 また、日本のユーザーは、サービスの品質に対して厳しい目を持っている。日本で成功すれば、他国には容易に持って行けるだろう。

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