写真1 嶺南ケーブルネットワークの西野幸二理事
写真1 嶺南ケーブルネットワークの西野幸二理事
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 福井のCATV事業者である嶺南ケーブルネットワークは,今秋の実験開始をメドにモバイルWiMAX(IEEE 802.16e)を検討中である。6月14日から16日まで東京ビッグサイトで開催しているCATV関連のイベント「ケーブルテレビ2006」で明らかにした。

 同社の西野幸二理事(写真1)によると,「8月ころに実験の申請をして,10月には実験を開始したい」としている。嶺南ケーブルネットワークは,福井県敦賀市に本社を置く都市型ケーブルテレビ事業者。モバイルWiMAXの導入を望む理由として西野理事は,「町中でインターネットを使えるようにしたいのが第一だが,ケーブルテレビの加入者が少ないアパートなどのブロードバンド環境用途や,バスの運行システムのネットワークとしての利用を考えている」という。実験に使用する機器については未定だが,「現在はシーメンスと話をしている」(同氏)。

 モバイルWiMAXは現在,総務省が技術方式を検討している2.5GHz帯を使う無線ブロードバンドの有力候補の一つ。総務省が主催する「情報通信審議会 情報通信技術分科会 広帯域移動無線アクセスシステム委員会」の場で議論が進んでいる(関連記事)。

 ただし2.5GHz帯は,無線LANで使う2.4GHz帯と異なり,誰もが自由に使える周波数帯ではなく,免許が必要な周波数帯となる。嶺南ケーブルネットワークの西野理事によると,技術方式が正式に決まり総務省が免許方針の策定に入った際には,ケーブルテレビの団体として免許取得についての何らかの意思表示をするとしている。また,「既存の通信事業者と組む可能性もある」(西野理事)という。