写真 4月11日に総務省が開催した「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会ワーキンググループ第9回会合」の様子
写真 4月11日に総務省が開催した「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会ワーキンググループ第9回会合」の様子
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 総務省は4月11日,「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会(番号研究会)ワーキンググループ第9回会合」を開催した(写真)。研究会では,新規のFMC(fixed-mobile convergence)用電話番号として,060から始まる11けたの番号形態を報告。今後,親会に当たる番号研究会に報告書案が提出された後,パブリック・コメントによる意見募集を経て「報告書として6月を目途に確定する」(総務省)予定である。報告書の確定後,情報通信審議会の答申を経て必要な省令などに反映される(関連記事1関連記事2)。

 報告書案では,FMCサービスは地理的な識別が不要で,通話品質も一定でないサービスである点を考慮。携帯電話の「080/090」やPHSの「070」,IP電話の「050」などと同じ0A0番号を割り当てるのが適当とした。その上で,番号の効率的利用の観点から,現状はあまり利用されていない個人通信用番号(UPT,universal personal telecommunication)に割り当てている060をFMC用の番号として指定した。番号は060を含めて11けたとし,060に続く事業者識別コードは4けたが適当であると報告。現行の携帯電話やPHSと同じ番号体系を取った。

 報告書案には,060だけでなく080/090や070,050で始まる既存の0A0番号をFMCの番号として使えると明記。この場合は,FMCサービスによって固定側に着信したにもかかわらず,携帯電話の料金が課せられるなどの不利益を利用者に与えないようにするとのただし書きを付けた。

 また,前回の会合でNTT東日本が主張した03などで始まる0AB~J番号として認めるとする案は見送られた(関連記事3)。報告書案では,FMCサービスでは,着信先によって通話品質が0AB~J番号が定める技術基準に抵触する可能性がある点などを挙げた。

 ただし,FMCサービスは,現時点で日本では開始されていない。そのため110番などの緊急通報の扱いや,番号ポータビリティの要件などを規定するのは時期尚早とし,今後の検討課題として残されている。