総務省の「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」第5回ワーキンググループ
総務省の「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」第5回ワーキンググループ
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 総務省は10月25日,固定電話と携帯電話を融合させたFMC(fixed mobile convergence)での電話番号やインターネット電話への転送をなどを検討するために,「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の第5回ワーキンググループを開催(写真)した。

 今回のワーキンググループは,9月27日から10月14日まで総務省が募集した各事業者が想定するFMCのシステムや導入時期,電気通信番号の体系などの事前意見募集(参考記事)に基づいたもの。通信事業者から提出された意見を基に議論が進められた。

 NTTは「FMCは幅広い概念のサービス」と断った上で,番号を議論する上ではFMCを「1ナンバーでの着信」ととらえるとした意見を提出。NTTコミュニケーションズもこれに近い意見を提出。FMCを「唯一のサービスとして規定すべきではない」とした上で,着信番号は「ワンナンバーでない場合は現行の制度でもできる。検討するのであればワンナンバーによる着信を検討する必要がある」とした。

 今回の主要テーマである「FMCにおける電気通信番号」にはあらゆる番号が候補に挙がったが,特に“ワンナンバー”を想定した場合は,各通信事業者,メーカーともに似た意見を提示。携帯電話で使う「080/090番号」,PHSの「070番号」,IP電話の「050番号」,そしてあまり利用されていない個人通信用番号(UPT,universal personal telecommunication)である「060番号」などの「0A0番号」が候補に挙がった。

 だが,各社とも「0A0」番号という方向性は打ち出すものの,特定の番号に一本化するまでには至っていない。その中で,ワーキンググループのリーダーである相田仁・東京大学大学院教授は「060番号の利用状況はあまり芳しくはないが,FMC用の電気通信番号の候補として考えてもいいのではないか」と発言。にわかに060番号に脚光が当たることとなった。

 総務省ではこうしたFMCのイメージをさらに明確にするため,ワーキンググループの下で「FMCアドホックグループ」を10月下旬から開催。当面想定されるシステムについての番号のあり方などを整理するとしている。ただし,このFMCアドホックグループは非公開。ここでの作業を受け,11月末から12月初旬に第6回ワーキンググループを開催する予定である。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション