ライブドアのネットワーク事業本部で技術を担当する伊勢幸一執行役員
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急きょ用意されたスライド。当初の配布資料には含まれていなかった
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 2月23日,都内で開催されたセミナー「FMCフォーラム」で,ライブドアのネットワーク事業本部で技術を担当する伊勢幸一執行役員(写真上)が講演。その中で,同社が東京都内で提供している公衆無線LAN「livedoor Wireless」の今後について触れ,「基本計画に変更はない」(写真下)と断言した。講演の冒頭,「(前取締役再逮捕などがあった)きのうの今日なので正直やりづらい」としながらも,あくまで技術担当としての立場から,livedoor Wirelessの現状を説明した。

 ライブドアは現在,都内の電柱上など約1800カ所に無線LANアクセス・ポイント(AP)を設置済み。3月末までには山手線内2200カ所にまで広げることを予定している。さらに2006年9月頃までには,東京23区内の主要鉄道沿線地区などに約4000の無線LAN APを設置する計画。これらの計画は,今後も変わらないとした。4000カ所に追加設置するために,従来同社はPHSの基地局を保有するYOZANの協力を得るとしていたが,その協力関係は今後も変わらないとした。

 1月末現在で,livedoor Wirelessの有料ユーザーは約8000人。2005年12月末に一気にユーザーが増加した後は,1週間で約200会員のゆるやかなペースで増え続けているという。また,現在もっともユーザーの接続率が高い無線LAN AP設置地区は1位,2位ともに東京の秋葉原であることも明かした。1位の無線LAN APは喫茶店のそばという立地。伊勢執行役員は,「(座って作業できるため)その結果には納得できる」としながら,2位はビルのそばで周囲には座って作業するような設備などが一切ない場所だという。伊勢執行役員もこの結果は「意外だった」と述べ,現在どのようなユーザーが何に利用しているかといった調査を進めているという。

 伊勢執行役員は今後の課題として,「まずは信頼の回復が第一」とした上で,利用実態に応じた基地局の配置や端末メーカーとの協業などを挙げた。なお,24日,ライブドアは記者会見を予定しており,今後の同社全体の事業などについての報告を行うとみられる。伊勢執行役員は,無線LAN事業については現時点では何も変わらないとした。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション