大阪証券取引所は1月16日,システムの刷新作業を開始したと発表した。刷新を始めたのは,ヘラクレス市場の売買システム。移行作業は2段階に分けて実施する。まず第1段階として,国内株を扱うシステムを1月30日に稼働させる。それ以外の商品や国内株のJ-NET取引は,現行システムで扱う。第2段階である2月末には,全商品を新システムで扱うようにする。
大証は現行の売買システムの処理能力に限界が見えていたことから,ヘラクレスへの新規上場申請を一時凍結していた(参考記事)。申請は今回の移行を踏まえて,11月から再開している。売買システムの再構築費用は69億円。
新売買システムの処理性能は,現行システムの7倍。ただし,並行して大証が進めているヘラクレスの相場配信システムの再構築が終了するまでは,相応の対策を実施する。具体的には,売買が集中した銘柄については板寄せ方式で一括約定し,株価情報の発生量を抑える形で運用する。現行の相場配信システムへの負担を軽減させるためである。この対策は,これまでも売買システムへの負担を減らすために随時実施していた。
新しい相場配信システムの稼働時期は,新売買システムの移行完了時期と同じく,2月末を予定している。