KDDIとクアルコムジャパンは12月22日,米クアルコムが開発した携帯端末向け放送技術「MediaFLO」の採用を検討するために,企画会社を設立すると発表した。

 会社名は「メディアフロージャパン企画」。新会社の資本金は1000万円で,KDDIが80%,クアルコムジャパンが20%出資する。社長には,KDDI コンシューマ事業統括本部 au事業本部 au事業企画本部 au海外事業部長の増田和彦氏が就任する。設立は12月27日の予定。

 MediaFLOは,米クアルコムが開発した携帯端末向けの放送技術。携帯電話とは別の放送用周波数を使って映像を配信する。リアルタイム放送と蓄積型放送を組み合わせたサービスを提供可能だ。米国では,米ベライゾン・ワイヤレスがMediaFLO技術を利用した放送サービスを2006年内に始める予定である。

 KDDIとクアルコムジャパンは,今後,共同の企画会社を通してMediaFLOの日本でのサービス提供を検討していくという。日本では携帯端末向けの放送として2006年4月から「ワンセグ」(携帯端末向け地上デジタル放送)が始まる。KDDIもワンセグに対応した端末として「W33SA」を12月に発売している。

 KDDIは,「ワンセグとMediaFLOはそれぞれ得意とする分野があるので,MediaFLOについてもその特徴を生かしたサービスを検討していく」(広報部)と話す。なおサービス提供に必要な周波数帯の確保については,「これから総務省との間で相談する段階」(広報部)だという。