総務省は10月25日,110番や119番などの緊急通報にユーザーの位置情報を通知する機能を義務付ける方針を示した。2007年4月1日から運用する考え。

 ユーザーが携帯電話から通報をした際でも,緊急機関がおおよその場所を知り駆けつけることが可能となる。GPS(全地球測位システム)もしくはそれに準じる位置把握システムを搭載することを想定している。ユーザーの電話番号のほか,氏名,住所,住所コードを位置情報として通知する

 位置情報機能の搭載が義務付けられるのは,番号を持つほとんどの電話サービス。携帯電話のほか,固定電話やPHS,IP電話が対象となる。

 これらの電話サービスで緊急通報を提供する際には,位置情報の機能が必須となり,2007年4月1日以降は事業者やメーカーは,対応したサービスや端末を提供することが求められる。050番号のIP電話サービスも,緊急通報に対応する際は位置情報の機能が必須となる。

 総務省は同日,総務大臣の諮問機関である情報通信審議会(情通審)の電気通信事業部会を開催。対応する法令「事業用電気通信設備規則」の改定案を示し,情通審での審議を要請した。同時に一般からの意見募集も始めた。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション