キーボードを備えたPHS・無線LAN一体型端末「W-ZERO3」
キーボードを備えたPHS・無線LAN一体型端末「W-ZERO3」
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左からシャープの松本雅史専務,ウィルコムの八剱洋一郎社長,マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長
左からシャープの松本雅史専務,ウィルコムの八剱洋一郎社長,マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長
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 ウィルコムとシャープ,マイクロソフトの3社は10月20日,PHSと無線LANの通信機能を備えたスマートフォン「W-ZERO3」を12月から発売すると発表した。基本ソフトにWindows Mobile 5.0を採用し,インターネット対応の携帯情報端末として使える。価格はオープンで,「実売は5万円を切る」(ウィルコムの八剱洋一郎社長)予定。

 W-ZERO3は,133万画素のディジタル・カメラと3.7型VGA(640×480ドット)の液晶ディスプレイ,スライド式のキーボードを備える携帯情報端末。重さは220g。内蔵のWebブラウザ「Internet Explorer Mobile」で,パソコン向けのWebサイトをそのまま表示する。電子メールの送受信や,エクセル・ワードなどの文書ファイルの表示もできる。

 PHSの通話やデータ通信は,ウィルコムが開発したPHSモジュール「W-SIM」を装着することで実現する。連続通話時間は5時間,連続待ち受け時間は200時間。無線LANは最大11Mビット/秒のIEEE 802.11b方式に対応しており,「Skype」などのIP電話ソフトも使えるという。

 またウィルコムはW-ZERO3発売と同時期に,公衆無線LANサービスを利用できる付加メニュー「ウィルコム無線LANオプション」を追加する。NTTコミュニケーションズの「ホットスポット」のエリアで,ノート・パソコンまたはW-ZERO3で無線LANによるインターネット接続ができるようになる。

 当初はW-ZERO3のユーザー限定で,2006年5月末まで無料の試験サービスを実施。2006年6月からそのほかのユーザーも対象に本格展開する。利用料は契約プランによって異なり,最大256kビット/秒のデータ通信端末「AIR-EDGE PRO」のユーザーは無料である。最大128kビット/秒のデータ通信端末「AIR-EDGE」や11月下旬開始予定の新プラン「データ定額」のユーザーは月700円。そのほかは1600円となる。

 ウィルコムは既に9月末,年末商戦向けの新型PHS端末数機種を発表済み。通話機能やメールなど基本機能を重視したこれらの端末に対して,今回のW-ZERO3をハイエンド・ユーザー向けに位置づける。ただしGPS(全地球測位システム)やFeliCaなど,携帯電話事業者が先行している機能については「いち早く製品を市場に出すために今回は実装を見送った。ハイエンド向け製品はこの機種で終わるつもりはない。市場の反応を見ながらより高機能な端末も検討したい」(八剱社長)と意気込みを語った。