NTTドコモが支援するNPO(非営利組織)「モバイル・コミュニケーション・ファンド」は10月14日,第4回ドコモ・モバイル・サイエンス賞の授賞式を開催した。
第4回は,先端技術部門で産業技術総合研究所の増井俊之主任研究員(写真上)が,基礎科学部門で東京工業大学大学院の山田功助教授(写真下)が受賞した。同賞は社会科学部門も用意しているが,今回は該当者がなかった。
ドコモ・モバイル・サイエンス賞は移動体通信の発展と若手研究者の育成が目的。優れた研究成果に褒賞している。賞金は600万円。
増井主任研究員は,携帯端末向けの予測文字入力システムの開発が評価された。同氏は予測文字入力システム「POBox」(Predictive Operation Based On eXample)を開発。POBoxはソニーの携帯電話など,多数のモバイル機器が搭載している。予測文字入力システムによって,操作しづらい携帯電話でも高速な文章入力が可能になる。
一方,山田助教授は,通信で使われる信号処理の分野で独自の高速アルゴリズムを開発した実績が評価された。山田助教授が開発した手法により,エコー・キャンセラの雑音除去やCDMAの干渉消去,低解像度画像から高解像度画像の生成などの処理を飛躍的に高速化できるようになったという。
なお,モバイル・コミュニケーション・ファンドは立川敬二・前NTTドコモ社長が理事長を務めている。