「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を発表する岩田聡社長
「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を発表する岩田聡社長
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 任天堂は10月5日,携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」に搭載した無線LAN機能によるインターネット接続サービス「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を開始すると正式発表した。11月23日から対応ソフトが順次発売され,発売日からサービスを利用できる。参加者同士でコミュニティを形成して楽しむコミュニケーション・ゲームや,世界中のユーザーと対戦可能なレース・ゲームを発売予定だ。

 サービス開始に合わせ,任天堂は全国のゲーム小売店約1000店舗に無料で利用できるアクセス・ポイント「ニンテンドーWi-Fiステーション」を設置する。さらにフリースポット協議会が全国約3000カ所に展開している「FREESPOT」も同様に利用できる。

 任天堂の岩田聡社長は「『簡単』,『安心』,『無料』という三つのポイントにこだわった」とサービスの特徴を説明した(写真)。

 具体的には,「簡単」を実現するために難しい設定なしでサービスを利用できるよう工夫した。例えばニンテンドーWi-Fiステーションでは,IDやパスワードの設定なしに接続可能。初めて接続する際に,ニンテンドーDS内部で自動的にIDとパスワードを生成する。FREESPOTでも,ほとんどの場所で同様に設定なしで利用可能だ。自宅での無線LAN接続では,任天堂が提供する無線LANユニット「ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ」を利用すれば設定不要で接続できる。既存の無線LANルーターを利用する場合でも,バッファローの自動設定技術「A.O.S.S」などに対応する。

 「安心」では,知らない人の集団に参加する心理的な抵抗感の軽減を狙い,友人としか接続できない仕組みを導入した。ゲームの対戦やコミュニティへの参加を,アドホック通信で接続した経験のある友人か,ユーザー固有の12ケタの数字「フレンドコード」を交換した友人に限定する機能だ。この機能を利用しないで,あらゆるユーザーと接続することも可能。「どのように使うかはゲーム設計者次第。誰とでもつながることが面白さを引き出すゲームもあるだろう」(岩田社長)。

 「無料」は,任天堂が提供するソフトは利用料を無料にすること。ただし「ソフト・メーカーが独自に有料サービスを提供することを妨げるものではない」(岩田社長)とした。

 ニンテンドーWi-Fiコネクションの対応ソフトとしては,11月23日に「おいでよ どうぶつの森」,12月8日に「マリオカートDS」を発売する。価格はともに4800円。