NTTドコモが展示した燃料電池を使う外付けタイプの携帯充電器
NTTドコモが展示した燃料電池を使う外付けタイプの携帯充電器
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KDDIが展示した燃料電池内蔵タイプの携帯電話機(東芝と共同開発したもの)
KDDIが展示した燃料電池内蔵タイプの携帯電話機(東芝と共同開発したもの)
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 10月4日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の「CEATEC JAPAN 2005」では,NTTドコモとKDDIが携帯電話機用の小型燃料電池の試作機を展示している。

 NTTドコモは富士通研究所と開発中のマイクロ燃料電池の充電器を展示(写真上)。燃料電池はクレードル型になっており,携帯電話機本体に外付けして使用する。2004年9月30日に公開した試作機と同じサイズ(高さ150mm×幅56mm×厚さ19mm),重量(190g)ながら,使用するメタノール燃料の濃度を上げるなど改良を重ね,電力量を約3倍に向上させた。NTTドコモは2005年度末をメドに外付けタイプの燃料電池開発を完了し,並行して進めている携帯電話機に内蔵するタイプの開発を進める。

 一方のKDDIは,東芝,日立製作所と共同開発中の試作端末を展示している(写真下)。いずれも燃料電池を携帯電話機に内蔵するタイプ。東芝と開発中の携帯電話機は,「A5509T」をベースに電池搭載部分に小型の燃料電池と燃料タンクを搭載する。リチウムイオン電池とのハイブリッド方式で,携帯電話に電源供給することが可能。電池容量は従来の約2.5倍になる。日立と開発中の端末も,内部リチウムイオン電池とハイブリッド方式で携帯電話に電源供給する。携帯電話の電池残量が不足した際には,小型カートリッジから燃料を補充できる。

 NTTドコモ,KDDIとも,メーカー各社と共同で小型・長時間駆動可能な燃料電池の開発を進めていく。商用化の時期については両社とも未定としているが,NTTドコモは「2007年には実用化したい」(担当者)と言う。