三菱東京UFJ銀行会長 三菱UFJフィナンシャル・グループ社長 プロジェクトマネジメント学会会員 畔柳 信雄 氏
三菱東京UFJ銀行会長
三菱UFJフィナンシャル・グループ社長
プロジェクトマネジメント学会会員
畔柳 信雄 氏

 「なんだかんだ言っても,これからは世の中にある,すべての産業でシステム部の人間が本流になりますよ。私にとってSEという仕事は天職です。システムを構築する仕事は本当に重要なんです」。

 この「SEは天職」発言を聞いたのは,1997年のことですから,もう12年も前になります。発言の主は,三菱東京UFJ銀行会長の畔柳信雄氏です。当時は常務として,東京銀行との合併プロジェクトを指揮されていました。

 「SEは天職」とは強い言葉であり,一緒にこの言葉を聞いた同僚は「私の記者生活を決定づけた」とまで書きました(関連記事:「SEこそ世の中の本流」発言が記者に与えた衝撃)。

 ところが恥ずかしいことに,筆者は「SEは天職」という言葉に畔柳氏が込めた思いを12年前に正しく理解できていませんでした。SEの重要性を強調するために強い言葉を選んだのだろうと思っていたのですが,それだけではなかったのです。畔柳氏の真意が分かったのは今年のはじめにインタビューし,「SE天職論」を再度伺った時でした。

 このインタビューは,6000人ものエンジニアが動員された,三菱東京UFJ銀行のシステム一本化プロジェクト(通称Day2)に関するものでした(関連記事:6000人が作ったシステムは見事に動き,それを報じた3人の仕事は遅れた)。

 インタビューの終わりに,「そういえば12年前,SEは天職と仰っていましたね」と水を向けたところ,畔柳氏は数分間にわたって,持論を語り続けました。それを聞いて,その言葉の意味がようやく分かったのです。

 すぐ思ったのは,「この迫力ある説明を多くの読者が直接聞ける場を設けられないか」ということでした。そこで早速,「弊社のイベントで講演いただけないでしょうか」とその場で依頼し,引き受けていただきました。

 その講演がITpro EXPO 2009初日の基調講演『ITプロフェッショナルに期待すること』です。銀行経営における情報システムの重要性,畔柳氏が情報システム部門やプロジェクトマネジメントとかかわるようになった経緯,そして「Day2」にあたり経営トップとして取り組んだことを語っていただきます。

 講演の後,筆者がいくつか質問をして,改めて「SE天職論」を語っていただこうと考えています。SEの方はもちろん,ITの仕事をされているプロフェッショナルの方々,ぜひご参集いただければと思います。

【基調講演】
『ITプロフェッショナルに期待すること』
<10月28日(水) 10:00~11:00>
お申し込みはこちらから
【畔柳信雄氏の寄稿】
---三菱東京UFJ銀行会長 プロジェクトマネジメント学会会員 畔柳信雄氏
サッカーはプロジェクト,仕事もプロジェクト