212話に書いたように長女ほのか(小学1年生)がMindStormsを始めた。ローバー(車型ロボット)を動かす簡単なプログラムを自分で考えて作りはじめた。ほのはパソコンでシルバニアン・ファミリーのかわいいページを見たり,キッズgooのぐっぴょんでオンラインゲームをしたりしている。

 もちろん中学2年のかずにいちゃんが,パソコンを空けてくれるわずかな時間だけだが。ほのは高校2年の長兄こうしろうのことを「にいちゃん」とよび,かずのことを「かずにいちゃん」とよぶ。単に「かずちゃん」とよんでいたのを,小学1年生の妹に中学生が「かずちゃん」とよばれていては立場がないだろうと家族が指導した結果である。

 MindStormsのプログラムを開発するROBOLABソフトウエアを使うのに「そこは,ダブルクリックするが」と教えたが,うまくできない。カチ,カチとシングルクリックを2回してしまう。カチッ,カチッと押すのだと教えるために,ほのをひざの中に抱き,カチッ,カチッとリズムをとるように後ろから揺すった。小学一年生にはこんな教え方ができるのだ。何年生まで,ひざの中に入ってくれるのだろうか。

 こうしろうがMindStormsを始めたのが小学5年生のころ,3歳違いの弟かずは最初,簡単な手伝いだけをしていた。かずが自分で何かを作りはじめたのは小学3年生のころだったろうか。ほのちゃんがMindStormsを始めるのは小学1年生だ。MindStormsもパソコンも着実に低年齢化が進んでいる。楽しく学べる仕掛けを考えなくっちゃと思う。

 土曜の夜,ほのちゃんと父のMindStormsタイムが始まった。

 ローバーを左前方の木の台の下に入れるプログラムを作ってみようと実現できそうな目標を設定した。「まっすぐ進んで,左に曲がって,また真っ直ぐ進んで止まればいいんだ。何秒ずつ動かせばいいかね?」とプログラムを作り,走らせてみて調整を重ねる。

 5秒間直進して,Aのモーターだけを2秒間停止して左折し,再度Aのモーターを動かし2秒間直進して停止する。これで台の下にロボットが入った。

 2sのように決まった時間WAIT(待つ)をかけるコマンドもあるのだが,クエスチョンマークの時計に,数値定数を設定すると好きな時間だけ,同じ状態を保つことができる。

 「はいった,はいった」とほのは大はしゃぎだ。「こんどは台の下から出て,まっすぐ行って・・・」と続きをやろうとするほのに,今日はここまでとブレーキを掛けた。