私は児童文化センターというところで,小学校の高学年を相手にLEGO MINDSTORMS(レゴ・マインドストーム)を使ったロボット講習会を,NAT(ナット)という地域のIT化を推進するボランティア団体の仲間と一緒に行っている。前期と後期の二回に分け講習会をしているが,後期の講習が12月11日から始まるので,最初は何を教えるのだったかなと,ROBOLAB(ロボラボ)ソフトウエアで,ロボットのプログラムを作ってみていた。少し早く帰宅した日の夕食後,9時に少し前のころだった。

 二つのモーターで左右のタイヤを回し進むロボット(ローバー)にROBOLABでプログラムを作り転送した。

 Aポートに繋いだモーターを順方向に,Cポートに繋いだモーターを逆方向に4秒間回転させるプログラムだ。緑色のRUNボタンを押すと,同じ場所でクルクル回る。それを見ていた末の娘ほのちゃん(小学一年生)が「いっしょなが,してみるちゃ」とローバーの横でクルクル回りだした。その様子に家族は,しばし絶句後,爆笑した。

 「ほのちゃん,マインドストームやってみるか」と声をかけた。モーターや時計の絵(コマンド)を並べて,糸巻きで絵をつなげて,ロボットのプログラムを作るのだと教えた。

 ほのが私の示したサンプルを手本に,適当に絵を貼り付けて作ったファースト・プログラムである。最後に赤いモーターを止めるコマンドがないと,ロボットが止まらないよと教えて完成した。RUNボタンを押すと8秒間前進して,6秒間後退した。

 おもしろくなってきたのか,勝手に次のプログラムを作り始めた。プログラムを作るウィンドウ(ブロック・ダイアグラム)の背景色を変える余裕まで出て来た。でも,プログラムは,何をしたいのかよくわからないものになっている。Aのモーターを10秒間回し,次にAのモーターを止めないで6秒間Cのモーターを逆方向に回している。だから最初の10秒間は同じ場所でゆっくり回転し,その後,6秒間勢いよく回転するのである。そんな風に,ほのに説明するとわかったような返事をしていた。本当にどこまでわかっているのか疑問だが,ロボットの動きとプログラムの絵(コマンド)の対応を少しは感じ取ったようである。

 次の日の夜も「今日もマインドストームできるけ?」とほのは聞いてきた。「時間が遅いから,明日しよう」と答えた。明日は土曜日。「土曜の夜はマインドストーム」が久しぶりに復活するかもしれない。