日経ソフトウエア誌「育代が行くよ!」の吉田育代さんに「かずくんはプログラムに興味ない?」と訊かれ「ううん,ない」と答え,隣からこうしろうに「かずは,アニメーションが好きなんです」とフォローされていたかず(小学5年)は,ペイントで絵を書いたり,フリーソフトのD-Pixedでレイヤ機能を使いパタパタアニメをよく作っていた。

 取材の翌日,妻はすかさず図書館から『図解雑学 コンピュータグラフィックス』という本を借りてきていた。3次元とは何かから始まり,Shade(シェード)などの高度なソフトウエアが紹介されているえらく難しい本を「これ,誰のために借りてきたの?まさか,かずに」と訝っていると,どうも本人,もう読んでいるらしい。数日後に読後の感想を聞いてみると「難しいけど,わかるところもあった」らしい。かずはどんどんその気になっていってEVAアニメータキッズというアニメーション作成ソフトの体験版をダウンロードしてアニメショーンを作っている。体験版では作品の保存こそできないが,ある絵から次の絵へ変化していく間の過程を自動的に作成してくれるキーフレーム法の効果を体験できる。

 夢中になって操作しているうちにキッズ版では飽き足らなくなったかずは「誕生日にEVAアニメータ買ってもいいけ?」とのたまわった。『誕生日に何か買う』 - どうもこれが我が家のキーワードらしい。誕生日に買う何かから,新しいことが始まる(このMindStorms日記はこうしろう小学5年の誕生日にLEGO MINDSTORMSを買ったことから始まった)。しかし,かずの誕生日までは,まだ2ヶ月以上あるので,ころっと変わりMindStormsの仲間を増やすことになるかもしれない。

 冷静になって考えてみると,我が家の男どもはみんな妻にのせられているような気がする。「こういうの面白いな」などと,こうしろうやかずと話していると,彼女がそれに関連する本を借りてくる。それでみんなその気になって行く。まあ,男はいつもそうやって女性にのせられているものなのかもしれないが。

 そんなかずの夏休みの工作がこれだ。



 MindStormsでコマばっかり廻していたかずの経験がいかんなく発揮された手回し発電機である。取っ手を回すと豆電球が光る。豆電球をはずし,テスターで2つのボルトの電圧を測ると最大で4Vを示した。『子供の科学』にいつも広告が載っている科学教材社から通信販売で買ったタミヤ製のハイパワーギヤボックスHEを逆に回して発電している。ハイパワーギヤボックスHEは,モーターが小さなギヤを回し小さなギヤが大きなギヤを回すという構造を3回繰り返し,スピードを落とす代わりに強いパワーを得る仕組みのギヤボックスである。それを逆に大きなギヤから回し,小さなギヤに回転を伝えモーターを回すことで,手回しの60倍程度のスピードでモーターが回ることになる。それで電気が起きる。瓢箪からコマならぬ,コマから発電機である。

 「大きなギヤで小さなギヤを回すと速くなり・・・」とお題目のように唱えながら,かずがギヤをいじくりまわしていた様子は62話80話をご覧いただきたい。

8月31日 夏恒例の鳥人間コンテストに魅せられたかずはジオラマを作る。



兄譲りのレゴ好きは健在なようだ。

 さて,当のこうしろうは「まだ,終わっていない宿題が2つある」と言うわりに余裕でテレビなぞ見ながら,私のビールのつまみを盗み食いしている。今後,MindStormsタイムに何をしていこうかと話をしてみた。「MindStormsでロボットを作るのはそろそろ飽きてきたんじゃない?」,「う,うーん,LEGO好きだから,これからもMindstormsで何か作って行きたいけど,まとまった時間がなかなか取れなくて…」

 そろそろ,PC用の実用的なプログラムを作っても良い頃だろうし,MindStromsを始めるきっかけとなったゲームプログラミングを始めるのもいいかもしれない(日経ソフトウエア10月号に詳しいが,こうしろうが「ゲームのプログラムを作ってみたい」と言ったことが,この日記の始まりである)。「Web系も面白いぞ」などと誘うと「ちょっと,考えてみる」とこうしろう。こちらは,もう半月で14歳の誕生日だ。何か新しい展開があるかもしれない。