どこからともなく,田んぼでもみ殻を焼くにおいがする。時折,エアコンより冷たい風を,まだシャツの袖をめくり上げた腕に感じる。いつの間にか,暑い夏よりも新緑の芽吹く春よりも,秋が好きになっていた。秋の夜長に小さな和室の小さな机の上においたノートPCに向かい文章を打っていると,時の立つのを忘れる。

 日経ソフトウエア10月号の「育代が行くよ!2 学校編」でこうしろうと私の共学関係が紹介されたお蔭で,数名の読者の方からメールをいただいた。読者のメールというのは本当にありがたい。なかなか書けなくて迷ったりしている時に,栄養ドリンクのように効く。ある人は,1話から100話まで一気に読んで,親子関係や家庭をキーワードとした感想を送ってくれた。本当にありがとうございました。もっと家族力を培って,がんばっていかなくっちゃと感じました。

 それから,こうしろうと同じ中学生で北海道に住む方からは,こうしろう宛てにメールをいただきました。こうしろうとパソコンやプログラミングを教えあう共学関係を作ってくれるそうですね。よろしくお願いします。たまには,私にも質問下さいね。

 インターネットって,やっぱり便利です。こうしろうは,九州に住む高校生とメ-ルをやりとりしていたり,不思議と遠くの人と結びついています。

 さて,9月15日のこうしろう14歳の誕生日プレゼントは,なぜかマクロメディアFLASH MXでした。



 FLASH MXはまともに買うと58,000円と,とても中学生の誕生日プレゼントには適さない価格なのだが,エデュケーション版は定価12,000円で販売されており,10,000円で何とか買える。アニメーションはかずの得意技のはずだったのだが,こうしろうによると「FLASHは前から欲しいと思っていたんだけど,エデュケーション版があることを知らなくて,買えるはずがないと思っていた」らしい。

 FLASHはWebサイト制作用のオーサリングツールであり,アニメーションやWebサイトのナビゲーション,Webアプリケーション構築に役立つ。と説明するまでもない有名なソフトウエアである。絵心がない筆者でも,ActionScriptというプログラム言語でコントロールできるところが,前から気になっていた。

 現在,こうしろうはチュートリアルを見ながら,少しずつ練習している。「あー」とか「すげー」とかまるでかずが乗り移ったようなリアクションしながら線を引いたり,図形を描いたりしている。近いうちに成果をご披露できると思う。

 かずはこうしろうの操作を横から覗き込み,99話で紹介したEVAアニメータと比較している。「そんなもん,EVAでもできるよ」と,こちらはすっかりEVAの味方となり,FLASHとは対決姿勢を見せている。3歳違いの兄弟らしい反応であるが,10月13日の誕生日までに,かずはFLASHにさわらないでいられるのだろうか。

 まるでMindStormsの出てこない誕生日の日記になってしまったが,今後FLASHとMindStormsは融合していくのであろうか。それとも,単に芸術の秋なのだろうか。