手のひら認証など革新的なATMサービスを相次ぎ投入。金融機関の顧客満足度調査ではメガバンクを圧倒――。ユニークなIT活用で独走する地銀・大垣共立銀行の土屋嶢頭取は、顧客目線でサービスを考え抜くことが正しい道と言い切る。
「銀行はサービス業だ」と繰り返し強調されていますね。今年1月に公表された金融機関ランキングでも、顧客満足度は全体の4位、リアル店舗を持つ銀行では、メガバンクを抑えてナンバー1でした。
顧客目線の経営を徹底するよう、常に心掛けてきました。お客様から「こうしてくれないか」と言われたら、何とかしてそれを実現する方法がないかを、私も現場も突き詰めて考える。1994年に全国で初めて365日営業のキャッシュコーナーを設けたのも、まさにお客様の声に応えるためでした。
顧客目線のサービスを追求するようになったきっかけは、1990年代後半からの金融ビッグバンで、他行や異業種企業との本格的な競争が始まったことでした。その時に、大垣共立銀行はサービス業として生き残るしかないと決意したのです。今でも店舗に「365」と書いた看板を掲げているのは、そのスピリットを持ち続けるためです。