日本人が米シリコンバレーで起業し、日本に進出するという一風変わった道を歩む米トレジャーデータ。同社はビッグデータの活用基盤をクラウドサービスとして提供する。良品計画や回転寿司チェーンのあきんどスシローなどが顧客に名を連ねる。同社でマーケティングとPR戦略を統括するリッチ・ギオッシ氏は「“玄人”にしか使えなかったものを“素人”が使えるところまで持っていく」と力を込める。
まだトレジャーデータに入社して日が浅いそうですね。
前職の会社が買収され、「次は何をしようか」と考えていた時に、(ビジネス特化型SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービスの)「LinkedIn(リンクトイン)」にトレジャーデータのマネジャーからメッセージが来た。まずコーヒー1杯から、3週間後にはトレジャーデータで働いていた(笑)。
トレジャーデータのビジネスの現状は。
私が入社した当時、有償顧客の数は30~35社だったが、今では100社を超えた。業種は幅広く、グリーやクックパッド、良品計画、スシローが我々のお客様だ。お客様から預かるデータの量は、私が入社した頃は1兆レコードに満たなかったが、現在は3兆レコードを超えている。従業員数も約2倍になって、会社として、チームとしてうまく機能している。シリコンバレーと日本の“いいとこ取り”ができている。
トレジャーデータの強みは何か。
技術を1つひとつ切り出すのではなく、サービスとして一体で提供しているところだ。企業のデータ活用プロジェクトで最も時間がかかるのは、個々の要素技術を検証して、それらをつなぎ合わせて、自分たちの用途に合うようにカスタマイズするところ。我々は、今までは“玄人”にしか使えなかったものを“素人”が使えるところまで持っていくつもりだ。