ベンダーに代わってパッケージソフトの保守サービスを手掛ける米リミニストリートが、日本市場に本格参入した(関連記事)。同社は、独SAPや米オラクルのERP(統合基幹業務システム)パッケージなどを対象に、ベンダーの保守費用の半額でサービスを提供する。日本でのビジネス戦略と、保守サービスの詳細について、米リミニストリート 最高経営責任者 取締役会長 セス・ラビン氏に聞いた。

(聞き手は鈴木 慶太、田中 淳=日経コンピュータ)


日本市場に本格進出した理由は。

写真●米リミニストリート 最高経営責任者 取締役会長 セス・ラビン氏
写真●米リミニストリート 最高経営責任者 取締役会長 セス・ラビン氏
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 理由は2つある。

 1つは、我々が既に海外で活躍する日本企業にサービスを提供してきたということだ。米国などで活躍する日本企業に長年サービスを利用してもらっており、日本市場でもやっていけると確信した。

 もう1つは、日本におけるSAPやオラクル製品のERPおよび関連ソフトウエアの保守市場が、年間1200億円を超える規模であるということだ。この市場規模は世界的にも大きく、大変魅力があった。

 日本企業は、IT企業に求める要求が厳しいことは知っている。だが、日本で成功できれば世界でも通用すると確信している。そういった意味でも、日本市場に本格進出したことは重要な意味がある。

ラビン氏は以前、SAPによって買収された第三者保守ベンダー「トゥモローナウ」にいたようだが、リミニストリートもトゥモローナウと同じビジネスをしているということか。

 トゥモローナウは私が設立し、2005年にSAPに売却した企業だ。トゥモローナウも、SAPとオラクル製品の保守サービスを提供していた。SAPがトゥモローナウを買収したのは、第三者保守の存在に脅威を感じたからだ。SAPはトゥモローナウを買収後、自社製品への保守サービスを止め、オラクル製品の保守サービスのみをしていた。