スマートフォン向けの通話・メッセージアプリ「LINE」が猛烈なスピードでユーザーを増やしている。飛ぶ鳥を落とす勢いのLINE 森川亮社長にスピード重視、ユーザー目線の経営哲学を語ってもらった。

(聞き手は吉田 琢也=日経コンピュータ 編集長)

LINEの登録ユーザーが2013年11月に世界で3億人を突破しました。2億人達成からわずか4カ月、このスピードの秘密は何ですか。

森川 亮(もりかわ・あきら)氏
1989年、筑波大学を卒業し、日本テレビ放送網入社。99年、青山学院大学大学院で経営学修士号(MBA)取得。ソニーを経て、03年にハンゲームジャパン(後のNHN Japan、現LINE)入社。06年10月、取締役副社長。07年10月、代表取締役社長に就任。11年6月、通話・メッセージアプリ「LINE」のサービスを開始。1967年1月生まれの46歳。(写真:村田 和聡)

 インターネット・ユーザーはメールやコンテンツなど様々な目的でネットを使いますが、もともと最も強いニーズはコミュニケーションなんです。そのコミュニケーションのプラットフォームを、スマートフォンに最適な形で作ったことが最大のポイントだと考えています。

 プラットフォーム化したことで魅力的なコンテンツとLINEが融合し、ユーザーがLINEからコンテンツを使ったり、逆にコンテンツからLINEを使ったりして浸透が進みました。後発のサービスと差異化するため、コミュニケーションの機能自体も強化してきました。

 さらに海外へのマーケティングにも注力し、アジアはもちろん、南米、欧州、さらには北米への普及を図っています。ユーザーの増加は、これらの施策の相乗効果だとみています。