SDN(Software Defined Network)を導入することで、ネットワーク機器への投資だけでなく、サーバーハードウエアへの投資も減らすことができる――。そう主張するのは、新興のSDNベンダー、米ビッグ・スイッチ・ネットワークスのグイド・アッペンツェラー最高経営責任者(CEO)だ。日本市場に進出を果たしたビッグ・スイッチ(関連記事:SDNベンダーの米ビッグ・スイッチが日本参入、CTCとネットワンが販売)の戦略などを聞いた。

(聞き手は、中田 敦=日経コンピュータ


ビッグ・スイッチのSDNソリューションの特徴は?

米ビッグ・スイッチ・ネットワークス 最高経営責任者(CEO) グイド・アッペンツェラー(Guido Appenzeller)氏
米ビッグ・スイッチ・ネットワークス 最高経営責任者(CEO) グイド・アッペンツェラー(Guido Appenzeller)氏

 SDNとは、ネットワーク機器のハードウエアとソフトウエアを分離して、ネットワーク機器のインテリジェンスを外部のサーバーで動かせるようにするものだ。これによって、様々なベンダーのスイッチが存在するネットワークを、ソフトウエアとして実装されているコントローラーから一元管理できるようになる。

 ビッグ・スイッチのSDNソリューションは、「OpenFlowコントローラー」である「Big Network Controller」、VLANを使わないネットワーク仮想化を実現するソフトウエア「Big Virtual Switch」、ネットワーク監視ソフトウエアの「Big Tap」の3製品で構成している。

 特徴は大きく二つある。一つめの特徴は、「OpenFlow」に対応する物理スイッチと仮想スイッチの双方をコントロールできるという点だ。仮想スイッチのみをコントロールする「オーバーレイ方式」ではなく、仮想・物理の双方に対応する「ホップ・バイ・ホップ方式」を採用する。

 二つめの特徴は、コントローラーの機能をオープンなAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)として外部に公開していることだ。APIは、「ホストの場所を調べる」「ネットワークトポロジーを調べる」といった、シンプルな形で実装されている。エンドユーザーやパートナーはこのAPIを使うことで、ネットワークインフラをコントロールするアプリケーションを開発できるようになる。