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インタビュー

日経コミュニケーション

「スケールの大きさが評価された」---日本人唯一のAndroidアプリ賞金コンテストの1次予選通過者

Webアプリクリエーター 渡嘉敷守氏

2008/08/21

 米グーグルの携帯電話開発プラットフォーム「Android」上で動作する優れたアプリケーションを選ぶ賞金付きコンテストが,「Android Developer Challenge」だ。2008年6月に1000を超える応募の中から,日本人で唯一,1次予選を突破した渡嘉敷守氏に応募作品「MyCloset」について聞いた。同氏は現在,2008年8月5日に締め切られた最終選考にバーションアップしたMyClosetを提出し,結果発表を待つ日々を送っている。

(聞き手は中道 理=日経コミュニケーション

MyClosetについて説明してほしい。

Webアプリクリエーターの渡嘉敷守氏
[画像のクリックで拡大表示]

 これまで生活に密着した実用的な携帯電話用アプリケーションを作ることで,人々の生活を豊かにしたいと思って携帯電話用のアプリケーションを作ってきた。このアプリケーションもその延長線上にあるものだ。

 MyClosetは自分の持っている洋服を写真に撮り,コーディネートを考えたり,その日に着た洋服を記録しておくというものだ。毎日記録をしていけば,「この前の定例会議には何を着て行ったかな?」と思ったときにすぐに調べられる。また,買い物に行って,以前,同じような服を買っていなかったかを確認するのにも便利だ。

 MyClosetでは驚きを与えながらも,使いやすいユーザー・インタフェース(UI)のアプリケーションになるように努力した(写真1)。服に使われる部品の一つであるジッパーをUIの中心に据え,タイトル画面から詳細画面への遷移でも,ジッパーが開かれて次に画面が徐々に現れるようなエフェクトを入れた。また,詳細画面ではジッパーをスクロール・バーに見立てて使えるようにした。

写真1●MyClosetの画面イメージ
トップページ(左)の「Log & Coordinate」を押すとジッパーが開き徐々に次の画面に遷移する(中)。またアイテム選択画面(右)では,ジッパーがスクロールバー代わりになっており,上下に動かすことで画面が上下にスクロールする。
[画像のクリックで拡大表示]

MyClosetをAndroid Developer Challenge(ADC)に応募した経緯は。

 Webで大きな影響力を持つ米グーグルが,携帯電話のプラットフォームを提供するということに興味を持ったのがきっかけだ。新しいプラットフォームが登場したとき,初期の段階から学んでおくことはとても大事。未完成なプラットフォームでは必ずといっていいほど仕様変更などの問題に振り回される。しかし,そういう紆余曲折(うよきょくせつ)も含めて知っていることが,技術者としての大きな財産となる。

 そうした思いから,iアプリ用に作ったアプリケーションをAndroid上にポーティングすることを考えた。どうせ開発するならということで,ADCにも応募することにした。正直なところ,ADCでTOP50に残るとは全然思っていなかった。

 Androidへのポーティングで,まず手始めに選んだのは,MyClosetではなく「DialCall(ダイヤルコール)」というアプリケーションだった。これは,2画面液晶パネルを持つ携帯電話「D800iDS」(三菱電機製)用に以前開発したもので,タッチ・パネル部分に黒電話のダイヤルを表示し,本物の黒電話のようにダイヤルを回せば数字が入力できるというアプリだ。仕事や私生活の合間を見つけて開発したので,ポーティングには1カ月ほどかかってしまった。

 その後,MyClosetに取り掛かった。MyClosetはそもそも,2004年に出版されたiアプリの解説本執筆のために作ったサンプル・アプリケーションだった。開発には2〜3カ月かかったが何とかADCに提出できた。

審査員に何が評価されたと思うか。

 TOP50では,現在の携帯電話の主流コンテンツであるゲームがほとんど選ばれなかった。むしろ,アプリケーションの核となるアイデアがしっかりしていて,それが新しいサービスに広がるようなものが最終的に残っていると感じた。

 MyClosetの場合は,ほぼ全員に関係がある「ファッション」をテーマとしている。服を通じたコミュニティや服の販売など,今後の広がりは大きい。こうしたところが評価されたのではないか。

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