スイッチやルーターといったネットワーク制御機能を、仮想アプライアンスとして提供する「NFV(Network Function Virtualization)」がトレンドの一つになってきた。2014年6月27日にブロケード コミュニケーションズ システムズは、仮想アプライアンス型のルーター新製品「Virtual Distributed Router(VDR)」を発表した(関連記事:ブロケード、分散型のソフトウエアルーターを2014年末以降に提供 )。

 ブロケードが提供する「Vyatta vRouter」は、仮想マシン上で動作する製品である。現行製品「Vyatta 5600 vRouter」の発展系に位置づけたVDRでは、分散アーキテクチャーを採用。ネットワークポリシーを管理する「コントロールプレーン」から、複数の「データプレーン」制御する。「一つのコントロールプレーンから500台のデータプレーンを制御できるようにすることが当面の目標だ」(ブロケード コミュニケーションズ システムズ ソフトウエア・ネットワーキング開発担当最高技術責任者のロバート・ベイズ氏)。

 ネットワーク管理者にとっては、コントロールプレーンを通じて、その配下にある全てのデータプレーンに対し一括で設定変更できることがメリットである。また、ソフト化を進めることで、ネットワーク機能の統合も容易になる。同社のデータプレーン「vPlane」には、ファイアウオールやNAT、暗号化やQoSなどの機能が搭載されている。データプレーン同士が通信することで、多くのネットワーク処理が“ワンホップ”で済むようになることも、メリットの一つだろう。